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Wi-Fi技術講座
第10回 Wi-Fi Vantageの狙いと効果

技術・調査委員会 松村 直哉

これまでの技術講座から少し変わった流れになりますが、今回はWi-Fi Allianceが推進しているWi-Fi Vantageについて解説したいと思います。

2016年Wi-Fi Allianceから発表

Wi-Fi Vantageは当初2016年11月にWi-Fi AllianceからWi-Fi CERTIFIED Vantageという認定プログラムとして発表されました。

質の高いユーザエクスペリアンスを提供することを目的とし、当初はWi-Fi CERTIFIED ac (802.11acの認定プログラムをベース)、Passpointなどのテクノロジーで構成されました。
*詳細については以下を参照ください。

https://www.wi-fi.org/ja/news-events/newsroom/wi-fi-certified-vantage-wi-fi

Passpointは802.11uをベースとし、Beaconを利用したネットワーク(オペレーター)の検出・選択やEAP-SIM等による強固なセキュリティと簡易な接続性を提供しています。

さらに2018年2月にWi-Fi VantageのコアコンポーネントとしてWi-Fi CERTIFIED Optimized Connectivityが発表されました。
https://www.wi-fi.org/ja/news-events/newsroom/wi-fi-alliance-wi-fi-certified-optimized-connectivity-wi-fi

UX向上に効果

Wi-Fi Optimized Connectivityは駅やスタジアムなどの密度の高い環境におけるWi-Fiエクスペリアンスの向上に有効な取組みです。

最近、Wi-Fiの利用が増々普及していく中で、チャネル選択のためのスキャン処理や接続処理によりProbe RequestやProbe Responseなどの管理フレームが多くなる問題が顕在化してきています。

この問題により「つながりにくい」「通信速度が遅い」といったWi-Fi利用者のエクスペリエンス低下につながるケースが生じています。

Wi-Fi Optimized Connectivityはこれらの課題に対する対策であり、ストレスなくWi-Fiを利用できる可能性を秘めています。

このWi-Fi Vantageの実証実験の結果(有効性や効果)については、以下のニュースリリースでご存じの方も多いかと思います。
http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2018/02/22/2967.html

技術・調査委員会の場でKDDIの実藤様から実証実験の結果につて説明頂きました。以下に会員の皆様に資料を公開します。

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Wi-Fi Vantageは駅やスタジアムなど高密度でのWi-Fiエクスペリアンス向上に期待される取り組みであり、WiBiz技術・調査委員会ではWi-Fi Vantageの幅広い採用・利用の促進も含めて、会員の皆様とWi-Fiの利用促進に向けた協議をしていきます。


◆Wi-Fi技術講座一覧◆

Wi-Fi技術講座 第1回 2.4G帯と5G帯の使い分け
Wi-Fi技術講座 第2回 Beaconはお知らせ信号
Wi-Fi技術講座 第3回 Wi-Fiのルール CSMA/CA
Wi-Fi技術講座 第4回 認証と暗号化の取り決め
Wi-Fi技術講座 第5回 高速化のための技術
Wi-Fi技術講座 第6回 高速化のための技術MIMO
Wi-Fi技術講座 第7回 ハンドオーバーの動き
Wi-Fi技術講座 第8回 Wi-Fiとキャリアネットワーク
Wi-Fi技術講座 第9回 iPhoneのハンドオーバーについて


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