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事業戦略を聞く
NTTBP Wi-Fi無線技術のノウハウを基盤に
社会インフラを支える
現場に即した「かんたん5G」サービスも開始
NTTブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)の事業戦略について、事業戦略室の
山崎 顕 室長に聞きました。
山崎氏は、無線の高度化と低廉化が社会インフラの進化を支えていると述べ、NTTBPはWi-Fiをはじめとする無線技術のノウハウを基盤に、認証と無線品質の維持・向上の両面から貢献できる領域を拡げていき、サービスを提供していくと方向性を明らかにしました。
ーーNTTブローバンドプラットフォームの現在のミッションを教えてください。
山崎 NTTBPは、NTTグループにおける無線のなかでも「アンライセンスバンド」を主軸とした会社として、これまでWi-Fiをはじめとする様々な無線の普及に携わってきました。空港やスタジアムなどの大規模施設から、自治体や観光地のフリーWi-Fiまで、幅広い現場で無線インフラの進化を支えてきた実績があります。
その象徴が、2013年に提供を開始した「Japan connected-free Wi-Fi(現在のJapan Wi-Fi auto-connect)」です。これは、NTTグループにおける「B2B2Xモデル」の先駆けであり、無線・認証基盤・アプリケーションを活用し、利用者・民間施設・公共施設、そして携帯キャリアをつなぐエコシステムを形づくった取り組みでした。この経験は、今日のNTTBPが「ミドルB」として、ユーザ・事業者・自治体をつなぐプラットフォーム機能を担う基盤へと発展する礎になりました。
いまや無線を経由してエンドユーザーや業務用端末がシステムにつながることは、社会やビジネスにおいて当たり前の前提となりました。私たちはそうした環境において、「進化し続ける無線技術の普及につながるプラットフォームの提供」さらには「見えない無線を可視化し、無線品質を維持・向上する」ことを使命としています。
https://www.ntt-bp.net/product/service/japan-wifi/index.html
ーー無線品質の維持・向上の取り組みについて、詳しく聞かせてください。
山崎 無線の特性と機器の性能をふまえた置局設計には一日の長があると自負しています。昨年度も「文部科学大臣 科学技術賞(開発部門)」を「大規模環境における高効率Wi-Fi技術の開発」としてNTTBPのエンジニア複数名が表彰をいただきました。
NTTBPにはNTT研究所出身のエンジニアが多数在籍していますが、過去20年以上にわたって無線機器の検証に取組んできました。NTTBPではそのように検証済みの無線機器を「BP Wi-Fi」「BP 5G(ローカル5G)」「BPモバイル」としてラインナップしていますが、そのノウハウの蓄積により無線の特性と機器の性能をふまえて極めて高精度な置局設計が可能です。
大規模な商業施設、スタジアム、交通動線等でそれらのノウハウを提供しています。そのノウハウは無線がつながらないときの原因究明にも役立てることができます。他のベンダ様では原因究明に至らなかった事象も多数解決してきました。そのなかには、無線機器のソフトウェアに問題があり、メーカーにソフトウェア修正をいただくという事象もありました。
また、無線部分だけではなく無線サービス全般としてLANやWANも含めた死活監視とサービス監視の自動化ツールを内製化し、保守運用サービスも提供してきました。全国規模のオンサイト保守体制を展開し、障害時にも迅速に対応しています。
さらには、HPEやCiscoのAI機能も活用し、トラフィック分析や予兆検知を進めていますが、一方でAIを過信せず、協調機能をオフにするなどシンプルな設計を選択するケースもあります。
特にロボット工場、スタジアム、空港、大型商業施設といったミッションクリティカルな現場では、AIと人の設計をどう使い分けるかが今後の大きな課題です。その最適解を、現場の実データと設計知を融合しながら提示できるのがNTTBPの強みです。
加えて、無線品質の維持・向上を確実に進めるためには、新しい無線帯域の積極的な利活用が欠かせません。NTTBPではWi-Fi6Eやローカル5Gを現場でどう活かすかという観点で、導入コンサルティングの強化や、試行しやすいようにローカル5Gの短期レンタルサービスも展開し、より多様な現場に即したソリューション提供を進めています。
https://www.ntt-bp.net/product/service/bp-5g/kantan-tanki/index.html
ーーコストや機器選択についてはどのように考えていますか。
山崎 どんなに優れた無線機器でもあっても、特定のシステムや機器に依存すると、中長期的にはコスト高になる可能性があります。高密度エリアには高機能機器が必要ですが、小規模オフィスや店舗ではシンプルで安価な機器で十分な場合も多い。
「BP Wi-Fi」はその解決策として、独自の検証をクリアした様々なメーカーの無線機器を揃えています。
・Cisco、HPE、Juniper(Wi-Fiパフォーマンス重視)
・D-Link、Panasonic(Wi-Fiコスト重視)
・PanasonicやPicoCELA(無線中継用途)
このようなラインナップを無線品質の維持・向上を確認済みの機器として提供し、利用シーンごとの最適解を選べるプラットフォームを実現しています。
https://www.ntt-bp.net/product/service/bp-wifi/index.html
ーー認証基盤の取り組みはどうでしょうか。
山崎 従来の「総務省ガイドライン」に基づくゲスト認証に加え、Open Roamingやeduroam、エンタープライズ用途での802.1xなど、利用シーンに応じた認証方式を広げてきました。
さらにWi-Fi6Eから実装されている Enhanced Openの普及により、従来のフリーWi-Fiが抱えていたセキュリティ課題も解決可能です。具体的には、フリーWi-FiにおいてもWi-Fi6Eの採用が拡がることで、従来のフリーWi-Fiの良さであるエリアオーナとしての情報発信やユーザ情報の取得はそのままに、セキュリティを強化することが可能になります。
一方で、Open Roamingにはセキュリティ強化や利便性といった明確なメリットがある反面、将来的にトラフィックが無制限に拡大した場合に設備投資を誰がどのように負担するのかという課題も残されており、その点についても最適な解を示していきたいと考えています。
ーーこれらの取組をどのように展開していきますか。
山崎 私たちの取り組みはNTTグループ内にとどまらず、キャリアWi-Fiの卸事業を通じて様々な事業者にも提供してきました。今後はSIerや地域事業者など、グループ外への展開をさらに広げ、産業と社会全般のDXに貢献していきたいと考えています。
ーー近年の案件傾向について聞かせてください。
山崎 無線端末の増加に伴って、交通結節点やイベント会場、工場、オフィスといった領域での引き合いが確実に増えています。従来の「面的なカバー」では解決できない課題が多く、求められるのは「業務を止めない、体験を損なわない無線品質の維持・向上」です。 ミッションクリティカルな相談が増えており、NDAもあって具体例が出しづらくなってきているのですが、フリーWi-Fiの時代からご愛顧いただいている空港・鉄道・大型商業施設・宿泊施設やイベントに加えて、工場や防衛にかかわる施設、金融機関等からの引き合いも増えています。
ーー最後に、今後予定している新しい取り組みを教えてください。
山崎 すでに発表済みの取組も含めて、次のような展開を予定しています。
・6GHz帯(Wi-Fi 6E/7)やサブ6帯(ローカル5G)の活用を推進するためのコンサルティング強化
・ローカル5Gの短期レンタルサービスの開始
・フリーWi-Fiのさらなる普及に向けた「Japan Wi-Fi」シリーズのラインナップ拡充
コンサルティングとローカル5Gの短期レンタルについては、多くの引き合いを頂戴しています。「Japan Wi-Fi」シリーズのラインナップ拡充については、年内には発表予定ですが、Open Roamingのメリット・デメリットで悩んでいる方々、今のフリーWi-Fiの継続か更改かで悩んでいる方々へ、確かな解決策を提示できると確信しています。
https://www.ntt-bp.net/product/service/introduction-consultation/index.html
無線の高度化と低廉化が社会インフラの進化を支えています。NTTBPは確かな無線技術のノウハウを基盤に、認証と無線品質の維持・向上の両面から貢献できる領域を拡げ、次の社会インフラを支えるサービスを提供していきます。
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