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活動報告
「ワイヤレスジャパン2025」で各委員会がセミナーを実施
技術・調査、企画・運用、00000JAPAN推進、
渉外・広報、各委員会より最新のWi-Fi情報や活動取組みを講演
渉外・広報委員会
5月28日(水)~30日(金)の3日間、「ワイヤレスジャパン2025」が東京ビッグサイトで開催されました。昨年と同様、無線LANビジネス推進連絡会(Wi-Biz)は802.11ah推進協議会(AHPC)と共同で出展し、Wi-Fiの最新技術動向及び00000JAPAN関連の取り組みを中心に紹介しました。あわせて渉外・広報委員会からは、展示機器提供のご協力を頂いた会員企業様の製品紹介を実施しました。
展示会出展報告はWi-Biz通信Vol.122【Wi-Bizニュース】にて、HPへの掲載をしております。詳細はこちらをご確認下さい。
https://www.wlan-business.org/archives/47928
今回、共同出展に伴い出展社セミナーとブース内セミナーで、「WXワイヤレストランスフォーメーション 地域と社会を変える!Wi-Fi HaLowとWi-Fiの最前線をご紹介」と題して、AHPCの出展協力企業様と一緒に講演を実施しました。講演の実施日時は以下の通りとなります。
各セミナーの実施日時(セミナー会場Aとブース内セミナーコーナー)
技術・調査委員会の講演(5/28 初日 出展社セミナーにて)
「Wi-Fi 7の新技術 最新のワイヤレス通信を測定してみた」と題して、技術・調査委員会 メンバー 西尾委員より講演に先だって無線LANビジネス推進連絡会の概要や各省庁との連携取組み等についてお伝えした後、以下の内容ついて講演をおこないました。
・Wi-Fiの進化
・Wi-Fi 7主要機能
・Wi-Fi 7のパフォーマンスについて
① Wi-Fiの進化
この四半世紀で、現在のWi-Fi 7までに無線LANは進化しており、基本的にはスループットの向上を主として機能向上がされて来ました。近年はスループットだけではなく、1基地局に複数ユーザーが接続して利用した時のパフォーマンス向上が盛り込まれる形となっていること。また、高速化にあわせて、2.4/5GHzから6GHzも利用できるように周波数帯域も追加され、多台数の端末が接続して安定した高速通信環境が整ってきたとのことです。
②Wi-Fi 7の主要機能
Wi-Fi 7の主要機能について解説がありました。従来の2倍となる320MHz幅帯域、1.2倍の高速化となる4096(4K)QAM、 複数の周波数を同時にリンクするMLO(マルチリンクオペレーション)などは、スループット向上の主要機能になっている。また、MLOには、MLMRやeMLSRなどのモードがあり、Wi-Fi 7の主要機能に対してイラストを利用した分かりやすい説明がありました。
③ Wi-Fi 7のパフォーマンスについて
電波暗箱とトラフィックジェネレータを組み合わせた測定システム(Spirent社OCTOBOX)によるWi-Fi 7アクセスポイントのパフォーマンス検証について説明がありました。
Broadband Forum(BBF)が策定したWi-Fiの性能試験規格TR-398を簡易化した形で測定を実施しています。5GHz、6GHz単独利用時とMLO(5/6GHz)利用時でのスループット、信号強度の減少にともなうスループットの変動、ターンテーブルを用いてアクセスポイントの角度を考慮した測定などについてご紹介があり、今回の試験では、弱い信号(遠距離)では、6GHz帯よりも5GHz帯域のほうが安定した通信がおこなえた結果が示されました。
講演の最後に西尾委員より、実際の構築・利用に向けて、アクセスポイントと端末間通信では、想定される接続端末数とその端末の仕様、利用アプリケーションなど様々な考慮すべき点があること。また、同一ベンダ製品を使用したWi-Fiメッシュ通信であれば、十分に性能を引き出すことができることも考えられるとの見解を述べられ、今後のWi-Fi 7の導入に向けて、皆様のお役立ていただける情報を今後も発信していきたいとの説明がありました。
企画・運用委員会の講演(5/29 2日目 出展社セミナーにて)
企画・運用委員会 吉田委員長より「6GHz帯Wi-FiのSPモードとAFC」と題して、6GHz帯の動向についてSPモードの利用、AFCシステムを中心に以下の内容で講演をおこないました。
・6GHz帯Wi-Fiの制度化状況
・6GHz帯Wi-Fiのユースケース
・6GHz帯の利用に必要なAFC
① 6GHz帯Wi-Fiの制度化状況
6GHz帯Wi-Fiの制度化状況について、周波数の割当状況、Wi-Fiの出力モードについて説明がありました。
周波数の割当状況としては、5.925GHz~6.425GHzは2022年9月に総務省により制度整備がされておりWi-Fiとして利用が可能となっていること、送信電力としては3つのモード種別のうち「LPI(Low Power Indoor)モード」、「VLP(Very Low Power)モード」の2種類が利用可能であるとの説明がありました。また、国際動向として米国では5.925GHz~6.425GHzに加え更に6.525~6.875GHz帯、カナダでは6.425~6.875GHz帯がAFCシステムの利用を前提に制度整備がされているとのことです。
② 6GHz帯Wi-Fiのユースケース
6GHz帯Wi-Fiのユースケースとして2つの例示がありました。
1つは屋外における高速、大容量、安定性が必要なケースとしてスタジアムや競技場での利用シーンを取り上げました。エンドユーザーは従来とは比較にならないほど写真動画のアップやリプレイ動画等の視聴などをおこなっており、そのことからトラフィックが増大しているため屋外での安定的かつ高速大容量が可能な6GHz帯の通信回線が求められています。
もう1つのユースケースとして工場等において既にWi-Fiが多く活用されているところに対し、新たに生産設備の遠隔操作やAGVなどの機器を導入する場合に、既存の周波数帯域と分けて干渉等が少なくかつ高出力でエリアカバーが広い6GHz帯のSPモードを利用するケースについて説明がありました。
③ 6GHz帯の利用に必要なAFC
6GHz帯上側の周波数帯は既存の無線局免許人がいてそのままでは周波数共用はできないことから、AFCシステムを用いて運用する説明がありました。
APから設置されている位置等の情報をAFCシステムに送信し、AFCシステムからそのエリアで利用してよい周波数ch、出力についてAPに送信します。APはその情報に従って電波を発出することにより既存無線局との干渉を回避することが可能になります。これを実現するのがAFCシステムです。AFCシステムの技術及び運用に関する検討が総務省を中心におこなわれていて、実現は2026年度以降となると想定しているとのことです。
00000JAPAN推進委員会の講演(5/30 最終日 ブース内セミナーにて)
00000JAPAN推進委員会 加藤委員長より、「いのちをつなぐ00000JAPAN」と題して、提供者様向けの説明を中心に以下の内容で講演をおこないました。
・立ち上げと環境変化に伴う変化
・発動状況
・導入/運用方法
・リスクの認知と周知
① 立ち上げと環境変化に伴う変化
東日本大震災を契機に整備された00000JAPANは、2014年にガイドラインが制定されました。
昨今では情報通信インフラはライフラインとしてより重要性が高まっており、社会通念上の役割や、その位置づけというものを鑑みた上で、自然災害に限らず大規模な通信障害においても発動可能とすると共に、より多くの事業者様に提供いただけるよう、認定事業者条件を緩和するなどの制度の見直しと改正を進めています。現在では全国122の企業・団体様が参加し、提供可能エリアが大きく拡大しているとの説明がありました。
② 発動状況
00000JAPANは2016年の熊本地震より毎年発動しているような状況にありますが、必ずしも大きな災害が発生したということではありません。2017年以降は、台風や豪雨に対する予備的な発動も増えている状況にあります。気象予想などを活用し、各自治体や事業者様が、大きな被害に備えた積極的な対応をおこなって頂いた結果になります。
2024年の能登半島地震でも発動されましたが、元日という各社体制の整いづらい条件ではありましたが、認定事業者様の迅速な対応により、災害発生当日の夜には提供が開始され、地域における災害時の通信網として活用されたとの報告がありました。
③ 導入/運用方法
各企業/団体様にて認定事業者となって頂く他、既に認定事業者となっている企業様の製品活用やサービス事業者様のサービス自体の導入でも提供可能となります。
またマルチメディア振興センター様が提供しているLアラートシステムを活用することで、多彩なメディアを通じて、迅速かつ幅広く発動情報の発信をおこなっています。運用課題についても継続的に解決を進めるためアップデートをおこなっています。
④ リスクの認知と周知
0000JAPANは災害時での利用となることから、ユーザー認証や暗号化が省略されています。そのため不正アクセス・不正書き込みといったリスクについては提供事業者としては認知しておくリスクの1つになります。
また利用者様側も個人情報のやり取りに注意が必要となります。一般的なインターネットの利用と同じような注意点ではあるものの、緊急時は公衆の無線LANを使いなれない方も一定数いらっしゃいます。そうした方々を守る為の事前の取り組みも提供事業者の責務として取り組みことが重要であるとのことで、提供するだけでなく利用者側の視点においても説明がありました。
最後に加藤委員長より、Wi-Bizでは00000JAPANの利便性向上や周知啓蒙活動に引き続き取り組んで参ります。企業/団体、自治体様におかれましても、ご賛同・ご参加いただけるようお願いをして、講演を終わられました。
渉外・広報委員会の講演(5/28、5/29 初日と2日目 ブース内セミナーにて)
渉外広報委員会 岡田副委員長より、「Wi-Fi 7/6E最新展示機器の製品紹介」と題して、展示会初日28日、2日目29日の両日で講演をおこないました。
講演内容としては無線LANビジネス推進連絡会の概要説明をした後、今回ブース内Wi-Bizエリアにて機材出展をして頂いた会員企業の担当者様より、各社一押し製品のご紹介を短い時間でリレー方式のバトンタッチによる講演を実施しました。
12会員企業による展示機器製品紹介
Wi-Fi 7の導入・提案事例等では高速性の観点だけではなく、以下のような説明がありました。
・端末多台数接続による利用が多い学校環境等への事例紹介
・オフィスや工場等へのIoT化を促進するセンサー機能も実装したWi-Fi機器
・簡易に取り付けが可能なWi-Fi製品
・Wi-Fiの安定した通信状態を管理する仕組み
・AI機能等を利用したマネジメント機能
各社製品の説明をすると共に、さまざまな特長のある機能をアピールしました。
講演の終わりにはWi-Biz広報活動の紹介やOpenroaming、Wi-Fiセキュリティガイドライン(総務省改訂)、Wi-Fiセキュリティコラム電子図書(日本テレワーク協会発行)の紹介がありました。
各委員会にて講演で投影した資料のダウンロードはこちらから
セミナー参加者の報告
今回のワイヤレスジャパン出展社セミナーにおいては、AHPCとの共同によるセミナー開催ではありましたが、Wi-Fi Halowは革新的なIoTを実現する通信であり、Wi-Fiはビジネスだけではなく生活の中で利用される身近な通信インフラとして、昨年以上の参加者があり盛況なセミナーを開催することができました。両日のセミナー参加者数は以下の通りとなります。
◇ 出展社セミナー:50名席(初日 5/28)
全体参加者 123名
講演メンバー
AHPC:サイレックス様、フルノシステムズ様、AHPC協議会メンバー
Wi-Biz:技術・調査委員会
◇ 出展社セミナー:50名(2日目 5/29)
全体参加者 114名
AHPC:メガチップス様、ビーマップ様、コンテック様
Wi-Biz:企画・運用委員会
またブース内で実施したセミナーについては、スペースの関係があり大半の聴講者が立ち見となってしまいましたが、セミナー開催時間帯はブース内に人垣ができるほどの盛況ぶりでした。
セミナー講演対応をして頂いた委員長と委員の方々、機材出展をして頂いた会員企業のご担当者の皆さま、セミナー講演のご対応誠にありがとうございました。
また今回のワイヤレスジャパン出展に向けてご協力頂いた、渉外広報委員会と各委員会のメンバーの皆さま、皆さまのご協力ご支援があり今年も大成功の展示会&セミナーを開催することができました。
展示会出展に関係した全ての会員企業の皆さまに改めてお礼申し上げます。
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