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ローカル5G技術講座
第5回(最終回)「ローカル5Gはワイヤレスシステムの本命になるか?」

北條 博史

 

これまでの4回の記事で5G/ローカル5Gの特徴を述べてきましたが、最後に最も重要な論点として、ローカル5Gの実際の適用領域についてご説明し、連載を閉じたいと思います。過去の記事を前提として記載しますので、これまでの連載を参考にしてください。

(第1回)「どう使いこなすか?5Gとローカル5Gの可能性」

(第2回)「5Gとローカル5Gの周波数割り当て」

(第3回)「MECの機能と効果」

(第4回)「超高速/超低遅延/多数同時接続」を実現する技術のポイント

なお、この記事は配信時点での情報を基にしておりますので、今後の周波数の利用状況、技術の進展、価格の変動などによって状況が変わってくることが想定されますので、その点をご理解の上でお読みください。

今後のワイヤレスシステムの選定にかかわるポイントとは

ワイヤレスシステムの活用にあたって考慮すべき点としてはいろいろなものが考えられますが、使う側としてワイヤレスシステム(あるいはワイヤレスシステムを組み込んだネットワーク)への要求条件を明確にする必要があります。

「コストをいくら以下で抑えたい」、「セキュリティが重要だ」、「既存システムから運用・監視できるようにしたい」など、必要な条件は千差万別であり、それらを踏まえた上でワイヤレスシステムを選定する必要があります。

選定する要求条件としては、以下のものが考えられます。

  • 通信品質(通信速度、遅延、QoSなど)
  • システムの規模(エリアサイズ、端末数など)
  • 通信セキュリティ(端末の認証、暗号化など)
  • 初期コスト(装置コスト、構築コストなど)
  • ランニングコスト(保守・運用コスト、端末管理など)

ローカル5Gとの比較対象となるのは、キャリア5G、無線LAN(Wi-Fi、WiGig、Wi-Fi HaLow)などになりますが、キャリア5Gについてはキャリア判断となりますので、ここでは対象から除きます。

通信品質について

通信品質に対してどういった要求条件があるかが、ワイヤレスシステム選定のキーとなります。もし特に要求条件がないのなら、より安くてより普及しているWi-Fiを選定することにより良いシステムを構築できるでしょう。

ここでは、システム選定に影響を与えるいろいろな通信品質に対する要求条件と、それに対する各方式の特徴を示します。

(1)通信速度

通信速度については、図表1にある通り、IoT用の方式である802.11ahを除けば、どの方式も10Gbps程度以上あり、どれを使っても「超高速」が実現できるように見えますが、これらの数字はフルスペック

(アンテナ数最大、すべての周波数に対応・アグリゲーション可能)の基地局と端末が、1台ずつ理想状
態で通信するときに実現できる通信速度です。

実際には同じエリアに何台端末があるか、基地局・端末が送受信可能な周波数はどうか、端末と基地局間の距離はどうか、などいろいろな要素を考慮に入れる必要があります。

Wi-Fi6については、MIMOやチャネルボンディングを用いれば、Gbps級のスループットを実現することができますが、実際のスマートフォンではアンテナは2本が標準で、帯域は80MHzが最大なので、物理速度の最大は866Mbpsとなり、無線LANの伝送効率(制御信号などの分だけ速度減少~70%)を考慮すると600Mbps程度が最大となります。

図表2はWi-Fiの実効通信速度の測定例ですが、最も条件が良い距離の近いところで最大の速度が実現されています。ここでよく見ていただきたいのは、距離が遠くなると速度が低下していくということです。これはWi-Fiに限らず5Gやローカル5Gでも同じで、距離が離れると電波が弱くなるので、通信速度は遅くても誤りが少なくなる通信方式に自動的に変更していくように設定されています。

実はこの点を理解していない方が多く、例えば図表2で見通し外40mにいる人は、そもそも最大300Mbpsしか出ませんので、特にローカル5Gでユーザ毎に帯域を設定する場合はこの点に注意が必要です。

なお、ローカル5Gがどの程度の通信速度を出すことができるのか、特に複数の端末が接続された場合や、サブ6と準ミリ波を使ったときの違いなど、実力値は現時点では不明ですので、今後いろいろな製品が検証される中で明確になるものと思います。

(2)ワイヤレス通信の遅延

ローカル5Gの特徴の一つに遅延を低減することができるという点がありますが、第4回で説明した通り、5Gの通常のフレーム構成の場合は4G(LTE)と同じ(サブフレーム長1ms)なので、遅延を1ms以下に抑えることはできません。低遅延を実現するためには、4Gにはない機能としてサブフレーム長を例えば0.25msに設定することが可能になります。フレーム長を短縮すると一度に送信できる量も4分の1以下になってしまいますが、そもそも5Gでミリ波などを使うことにより、単位時間当たりの送信量も増えるので、結果的に遅延が減らせることになります。

パケット間のギャップなどの時間が変わらないとするとフレーム長を小さくすることは、実効的なスループットを低下することにつながるので、遅延は減りますが通信効率は低下することになります。つまり、例えばローカル5Gで低遅延の通信を行う場合は、通信速度が犠牲になることを理解しなければいけません。

一方、無線LANではフレームという概念がなく、ネットワーク側からパケットが来れば、即座に送信しようとしますから、無線部分の遅延はローカル5Gよりも小さくなります(図表3)。しかしながら、他の端末が送信中の場合には送信が終わるまで待つ必要があるため、その場合はその送信が終了するまでの時間が遅延となります。また、さらにほかの端末も送信を待機している場合には、その端末のさらに後になる可能性もあるため、遅延はコントロールできません。この点が、ローカル5GとWi-Fiの大きな差になります。

もう一つ、遅延についての落とし穴についてご説明します。有線通信の場合はパケットの送信失敗確率はゼロと考えてよいと思いますが、無線の場合は通信状況の変化などで必ず送信失敗が発生します。低遅延モードの時に、もしパケット送受信エラーが発生した場合(例えば受信側から受信成功との連絡が来なかった場合)、通常であれば、同じパケットを数フレーム後に再送するわけですが、そのパケットだけは1ms以下の条件を満足できないことになります。上位の通信プロトコルにTCP/IPなどを使っている場合は、この遅延により、結果的に通信全体の遅延が増加することになります。この点を理解した上で、要求条件に合った上位の通信プロトコルを決めていく必要があります。

(3)QoSなどの品質コントロール

ローカル5Gの場合は基地局側で端末毎の通信を管理することできるので、端末毎に上り・下りともに通信速度をコントロールすることができます。無線LANは、そもそも端末が自由に送信できるために、特定の端末に帯域を割り当てるわけにはいきません。この点は、ローカル5G側の大きなメリットになります。

なお、5Gとは異なり、ローカル5Gは周波数が共用になっていますので、同じ伝搬エリアの中に同じ周波数を使っている他のシステムがあるかどうかを、事前に確認しておく必要があります(同じ周波数を近くで使っていないかどうかは電波免許許可時のチェック項目となっています)。同じ周波数を使っているシステムが近くにある場合は、干渉による影響は極めて大きく、場合によっては、通信が継続できなくなることも考えられます。

システムの規模について

通信エリアのサイズとその中にある端末数については、通信速度とともにワイヤレスシステムを選定する上で大きなポイントとなります。エリアサイズは、ワイヤレスシステムの利用周波数帯によって大きく変わりますので注意が必要です。また端末数は、該当エリアの通信帯域を全端末でシェアすることになるので、一台あたりの通信速度を確保しようとする場合は、総端末数を制限する必要があることになります。

(1)エリアサイズ

エリアサイズは、ワイヤレスシステムを構築する上でのポイントとなりますが、それを決める最も大きな要因は、どの周波数帯を用いているかということになります。5G/ローカル5Gの場合は、まずサブ6(ローカル5Gの場合は4.7GHz帯)か準ミリ波(28GHz帯)なのかによってエリアサイズが大きく異なります。第2回の記事にもあるように、準ミリ波の場合は、伝搬距離が短く、かつ障害物を回り込まないので、もし端末が動き回る状況を想定すると、電波の反射が期待できる閉空間の中、あるいは障害物のない見通しの良いエリアに限られます。準ミリ波は超高速の通信が実現できるメリットはありますが、この点をクリアできない場合は、サブ6を使う必要があります。

ここで注意しなくてはいけないのがローカル5Gの場合です。サブ6のローカル5Gの周波数割り当ては4.7GHz帯(4.6GHz~4.9GHz)に限られているので、5GHz帯の無線LANと同じような周波数になります。この周波数帯は、準ミリ波よりは条件が良いとはいうものの、モバイルのメイン周波数である800MHz~2GHzに比べて電波の飛びや障害物の回り込みについては劣っています。5Gの場合は、4Gの周波数帯(例えば800MHz帯)において5Gのサービスをすることも可能なので問題ありませんが、ローカル5Gの場合は、IoTなど広域(~1km)のエリアサイズをカバーするためには、今の周波数割り当ての状況では難しいと言えます。

無線LANについては、通信速度やエリアサイズに応じて対応するワイヤレスシステムを別々に作っています。通常のWi-Fi6に加えて、60GHz帯を活用して超高速を実現する802.11ad/ay(WiGig)、IoT用途として期待されている900MHz帯を活用する802.11ah(Wi-Fi HaLow)などがあります。

特に802.11ahについては、ローカル5Gには1GHz帯以下の周波数の割り当てがありませんので、プライベートで高速通信のIoTを実現できる貴重な方式となります。

なお、1台の基地局ですべてのエリアをカバーできない場合は、複数の基地局を設置し、エリアをすべてカバーする必要があります。この場合、1台の基地局のカバーエリアが少ないとその分だけ多くの基地局を設置する必要があり、結果的にコスト高になる可能性があります。

 

(2)接続端末数

一つのエリアで収容できる端末数は、エリアの通信速度と端末あたりの帯域をどう設定するかによって決まります。一つのエリアの通信速度は、「通信速度」の項で示したようにエリア端に行くほど通信速度は低下します。そこで、帯域を保証するような割り当てを考える場合は、すべての端末がエリア端にあると仮定する必要があります。例えば、エリア端にある端末一台の通信容量を500bpsとし、一台あたり100Mbpsを確保したい場合、簡単に言えば、接続端末数を5台以下にする必要があります。もし、それ以上の台数を収容したい場合は、別のチャネルにもう一台基地局を設置して、収容を分ける必要があります。

この考え方は、ローカル5Gも無線LANも変わりません。ただし、端末数の増加により、相対的に無駄な待ち時間が増加し、通信速度の合計は低下していきます(図表4)。特に無線LANの場合は、自律分散制御であるために、衝突確率の上昇などにより、さらに低下することになります。

1台あたりの帯域について特に規定する必要がない(ベストエフォート)場合は、端末数の上限はありませんが、Wi-Fiの場合は、端末数が増えるにしたがって徐々に効率が悪くなっていくため、基地局の性能によって同時接続可能台数が変わります。例えば、ギガスクール構想で、現在主に導入されているものとして学校向けの基地局がありますが、これは1つの教室の人数(~50台)を十分に収容できるスペックとなっています(Wi-Fi6ではさらに同時収容端末数が増加しているので実効値も向上していると考えられます)。なお、IoTを想定した802.11ahでは、端末の間欠的な送信を前提としているため、約8000端末まで同時に接続することが可能です。

一方で、端末毎の通信を管理することができるローカル5Gについては、基本的に制限はありませんが、同時にパケットの送受信を管理できる数に限りがあるため、ある台数を超えると急激に通信容量が低下する場合があります。これは例えば、スタジアムなどで多くの端末が集中した場合に、4Gの通信ができなくなる理由と同じです。

通信セキュリティ

セキュリティについては、許可のない端末が接続されるのを防ぐ認証機能と、通信している内容が盗聴されないように暗号化する機能と、2つの観点があります。

(1)端末の認証方式

ローカル5Gの認証は、5Gと同じようにSIMカードによる認証になります。最近では物理的なカードではなく、書き換え可能なeSIM(Embedded SIM:埋め込み型SIMまたはソフトSIMと呼ばれています)も用いられています。SIMカードによる認証は世界的に利用されている技術でセキュリティも保証されているので、最も安心な方式と言えます。ただし、SIMの管理、払い出しの手続きなど、コストがかかりますし、いい加減なシステム管理をしてしまうと、その部分でセキュリティレベルが低下してしまうことがあります。

一方、Wi-Fiではキーワードをあらかじめ交換しておき、キーワードを知っている人のみが通信可能になるというような簡便な方法(WPA3-PSK)や、アクセスポイントではなくその後ろの有線部分でゲートを設けてID/Passで認証するなどという方法が主流です。

より高度な方法としてEAP-SIM/AKAやEAP-TTLSなど、アクセスポイントと認証サーバを連携させ、あらかじめ端末に設定していたSIMカードや電子証明書などで認証する方法もあります。これを用いれば、ローカル5G並みのセキュリティレベルになりますが、やはりSIMカードや証明書の管理が必要になります。

(2)通信の暗号化

5Gやローカル5Gは通信の暗号化については心配ありません。無線通信を傍受したとしても解読される心配はないと思われます。一方、Wi-Fiの場合は、前項のEAPを使えば、認証とともに暗号化も実現できるので、ローカル5Gと同等のセキュリティとなります。

簡便に済ませることを目的として事前にキーワードを交換する方式(PSK)を用いた場合は、そのキーワードの管理をしっかりする必要があり、万一漏れてしまうと、暗号化はしていても解読されてしまう危険が出てきます。

なお、WPA3と同じタイミングでリリースされたEnhanced Openという技術を使えば、特に事前に何も設定する必要がなく暗号化通信ができます。ただし、EAPとは異なり、アクセスポイントのなりすまし(偽物のアクセスポイント)については、排除することができませんので注意が必要です。

初期コストを左右する要因

(1) 装置コスト
装置コストについては、システム構成がどのようになっているのかに依存します。無線LANについては図表5の通り、通常のLANの形態なので、すでに有線LANのネットワークを構築しているところは、市販のアクセスポイントと端末を用意するだけでいいことになります。

一方、ローカル5Gについては、プライベート用の5GC(5G Core Network:4GにおけるEPCに相当する機能)を具備する必要があり、その装置は、基地局の存在するエリアに設置する場合や、回線を通してクラウドに設置するなどの構成が考えられています。5GCには認証や呼制御、位置登録、さらにはQoS制御などの機能が必要になります。

また端末は、モバイルで利用されている端末(周波数などの対応が必要)が流用できるのであれば、低価格で導入できますが、当面はローカル5G用に作られた端末を使うしかありません、その場合はコストも高くなります。

さらに、各機器の保守・監視する装置が必要なので、無線LANの場合は有線LAN用の装置がそのまま使えると考えられますが、ローカル5Gの場合は、別の専用装置を追加する必要があります。

(2)構築コスト

無線LANは一般に購入できる市販品であり、もし該当エリアに有線LANがあるところでは、該当エリアをカバーできる適切な場所にアクセスポイントを設置(必要に応じて工事費が必要)して有線LANに接続すればOKです。該当端末をアクセスポイントに登録すれば、すぐに使えるようになります。

一方のローカル5Gでは、プライベート用5GCの設置と設定が必要です。さらには基地局(無線局)の設置にあたっては基地局の免許申請が必要であり、設置場所を変更するときは再度申請が必要になる場合があります。なお、無線局を運用するためには、無線従事者として陸上特殊無線技術士などの免許を所有している要員を登録しておく必要があります。

ランニングコストを左右する要因

(1)装置の運用コスト

ローカル5Gの保守コストは、ネットワーク機器の通常の保守コスト(設置した装置コストの数十%?)がかかることになります。現状のローカル5Gの装置はどれも高価ですので、運用コストも当面は高コストを覚悟しなくてはいけません。また、保守監視装置についても専用の装置になるため、どこまできめ細かくするかに依存しますが、それなりのコストがかかります。

一方、無線LANの場合は有線LANのために構築したDNSやDHCPサーバはそのまま流用できますし、新に構築したとしても、市販装置が使えるのでコストも安く済みます。また監視についても、端末の死活監視だけでよければ、pingを送信するだけで済みます。きちっと監視する場合でも、通常のエンタープライズ向けの無線LAN基地局であれば、SNMPをサポートしているので、ネットワーク装置用の監視サーバがそのまま使えます。

また、いったん運用した後に、レイアウトを変更したり、基地局の数を増やしたり、ネットワーク構成を変更する際には、きちっとした置局設計が必要になる場合がありますが、その際にも簡単に変更が可能な無線LANに比べて、ローカル5Gの場合はあらためて免許申請が必要なるケースもありますので注意が必要です。

(2)端末(及びSIMカード)の管理

セキュリティのところで述べたように、ローカル5Gの場合はSIMカードを管理する必要があります。新しい端末を追加・変更する場合は、その都度、SIMカードの発行と、5GCの認証サーバへの登録などの作業が必要です。一方、無線LANの場合は、コストをかけないようにするために、PSK(共通キー)で簡易に認証することが可能です(セキュリティレベルを保つにはPSKの定期的な変更が必要です)。

プライベート無線選定のポイント

以上、ワイヤレスシステムの選定にかかわる要求条件について説明してきました。図表6に、これまで説明してきた内容をまとめて表示します。

図表6では、優位な点を青色で、劣っている点を赤色で記載しています。これを見てわかるように、遅延やQoSといった通信品質にかかわるところがローカル5Gのメリットになっていますが、それ以外のところは無線LANに優位性があります。特にコストや設計の柔軟性については、現時点では圧倒的に無線LANのほうが有利であることがわかります。

したがって、ローカル5Gの適用領域としては、ローカル5Gとして端末数によらず高速で安定した通信が必須である以下のような分野が期待できます。

  1. 監視情報や制御信号を誤りなく送受信することができ、頻繁なレイアウトの変更にも対応可能
    ⇒ 工場などの製造現場や物流倉庫など
  2. 高精細な動画など大容量データを多数の端末に対してリアルタイムに送受信する機能
    ⇒ イベント会場のライブ配信、遠隔授業、eスポーツの配信など
  3. 遠隔から低遅延での制御が必要な機能
    ⇒ 農場等における自動運転、遠隔医療(ただし送信エラーを前提としたシステム)など

なお、ローカル5G適用領域であっても、コストダウンを図りたい場合は、無線LANを使った上で、ネットワーク側でQoSをかける方法や、基地局を複数にして1基地局あたりの収容端末を減らすことによって衝突を避ける方法などが考えられます。

今後、ローカル5Gが普及し、コストがある程度下がってくれば適用領域が広がると考えられますが、その際においても、適材適所で無線LANの各方式も組み合わせて、最適な安価なワイヤレスシステムを構築することが望ましいと考えられます。

まとめ

現状でのプライベートワイヤレスの選定のポイントを述べました。ローカル5Gは、商用が始まったばかりで現在はトライアルのフェーズです。初期コスト及びランニングコストも無線LANに比べてはるかに高価になりますので当面は、試験的にローカル5Gでなければ実現できないようなユースケースに対して導入が進むものと思います。

ローカル5Gのコストを低減するためには、導入実績を積む必要があるので、当面は需要の掘り起こしを進めるとともにある程度先行投資的に、かつ戦略的に導入を進めていく必要があります。

無線とネットワークの最先端技術を詰め込んだローカル5Gを普及させるためには、長期的な視点で育てていくことが必要で、そのプロセスの中で、アンライセンスの無線LANとの役割分担も明確になってくるものと思います。


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