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海外情報
今後6年間で200億のWi-Fiデバイスが出荷!

岩本賢二

1月号のメルマガで「2022年までにWi-Fi6が10億台出荷される」という記事を掲載しましたが、さらに新しい予測が発表されましたので紹介します。

アンライセンスバンドによる通信は世界中のインターネットアクセスを変えました。Wi-Fiアプリケーションの成長傾向は引き続き上昇を続けています。ABI Research社による最新の世界市場調査によると、2019年から2024年の6年間でなんと200億台以上のWi-Fiデバイスが出荷されると予測されています。

メッシュネットワークシステム、スマートホーム、自動車、IoTアプリケーションに加えて、既存の市場でも継続的に採用されるため、2024年までにはWi-Fi市場は年間で40億台程度のデバイス出荷が予測されます。

ABI Research社の首席アナリストAndrew Zignami氏のコメントを以下に紹介します。

「2019年はWi-Fiの20周年を迎えますが、技術の発展速度が低下する兆候は見られません。アクセスポイント市場ではWi-Fi6が急速に勢いを増していますが、さらにクライアントデバイスについてもすでに市場に参入しており、今後12~18か月で大幅に増加すると予想されています。

またWiGigおよびHalowに関してはかなり遅れてはいるものの、今後数年でこれらも成功するだろうと予測しています。WiGigはワイヤレスビデオストリーミング、バーチャルリアリティ、ドッキングステーションなどに高いニーズがあり、固定ワイヤレスアクセスアプリケーションの大きな牽引役となりそうです。

またHalowのチップセットとIPはNewracom、Morse Micro、Palma Ceia SemiDesignなどの多くのスタートアップベンダーのおかげでようやく市場に登場しました。HalowはIPネイティブで柔軟性が高いためLPWA分野では非常に魅力的です。

 さらに今後数年で米国では6GHzの無線帯域が利用可能になることはWi-Fi市場が成長する大きな要因と言えます。法規制上やるべきことが多くありますが、既存のWi-Fi技術により干渉されない新しい6GHz帯における1.2GHz幅の追加の帯域はWi-Fiに前例のないパフォーマンスと大容量をもたらすことになります。

Wi-Fi6規格はこの6GHz帯を追加サポートし、最大限に活用するための拡張機能が実装されます。そのためWi-Fiは引き続きその価値を高め続けることが保証されます。」

実際、ここ半年ほどで、大手のWi-Fiベンダーは大規模なWi-Fi6のPRキャンペーンを行っていますし、日本国内でそのようなPRを目にした方も多いと思います。出荷される台数の規模などを見ると5Gよりも圧倒的に多い数のデバイスが市場に出荷されることになります。

米国と同様に日本でも6GHz帯がWi-Fi6で利用できるようになることを切に願います。これまでのWi-Fiの普及によって形成されてきた日本国内でのエコシステムを見てもわかる通り、Wi-Fiへの帯域拡張は日本経済に大きな利益をもたらすことは明白です。

参照:

https://www.abiresearch.com/press/wi-fi-celebrates-20-years-more-20-billion-anticipated-device-shipments-over-next-six-years/

https://www.telecomstechnews.com/news/2019/jul/16/wi-fi-device-shipments-will-reach-4-billion-by-2024/

https://www.wlan-business.org/archives/18118


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