技術情報
自律航行に向けたドローンの技術の状況
新技術導入促進委員会 松村副委員長

自動車の自動運転について様々な議論や技術の進歩が多くのメディアで取り上げられています。自動運転にはレベル0からレベル4までの定義がされており、人間が操作し、センサーやカメラ映像を元に衝突警告を行うレベル0から、警告とともに自動ブレーキを発動するレベル1、人間の操作がまったく介在しない完全な自動走行ができるレベル4があります。将来は車同様にドローンも自動航行ということになるかと思います。

ドローンには機体に操縦者が搭乗しないので、1)飛行状態を地上から肉眼で確認しながら操作する目視飛行や、2)以前、紹介したドローンレースに利用されているシステムのように航行中の映像をカメラで撮影し、その映像をリアルタイムに伝送してリモートで操作する飛行方法、3)さらに完全な自律航行があると思います。
自律航行ではGoogle MAPを使い、あらかじめ登録された航行ルートに沿ってドローンに搭載されたGPSからの情報を元に飛行するというものがあります。

少し車の話に戻りますが、自動車における自動運転では先日開催されたCES2017でNVEDIAとAudiが2020年に自動運転に向けた共同開発を行うことを発表しています。

http://car.watch.impress.co.jp/docs/event_repo/ces2017/1038137.html

NVEDIAは画像処理のGPUを開発しているトップベンダーで画像処理+AIでは業界をリードしている企業です。このNVEDIAが年に1度、「Early Stage Challenge」という、ベンチャー企業が新しいアイディアを持ち寄るイベントを開催しており、世界中から100件を超える応募の中から新興企業12社が選定されました。

https://blogs.nvidia.co.jp/2016/03/16/ai-vr-robotics-startups/
その中で選ばれたイスラエルのベンダーAerialguardはドローンの自律飛行で状況認識機能や安全性、帰還性、任務遂行能力を大幅に高めていることが評価されました。
YoutubeやHP(下記URL)では、自転車をドローンが追いかける動画が掲載されています。

https://youtu.be/KT-AicSZnbQ
https://www.aerialguard.systems/

この動画では、自転車が草むらの中を走ったり、林の中を走ったりする後をドローンが追いかけます。この追いかけるという機能は前回、紹介したDJIのファントム4で実現されていましたが、AerialGuardのドローンでは林の中に入った自転車を追いかける際に、木があるといったん止まり、追いかけるルートを再構築してから、再度追跡を開始するという技を見せています。

イスラエルの先端技術にはいつも目を見張るものがあります。ドローンについてもDJIの次はイスラエル製のドローンが世界中を飛び回る日がそこまで来ているかも知れません。


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