ビジネス情報
私のWi-FiとLTEのデータ通信量はどれくらいか

無線LANビジネス推進連絡会 会長 小林忠男

私の毎日の通信手段は、Wi-Fiかモバイル(LTEと3G )のどちらかである。家とオフィスでは100%Wi-Fiを利用し、屋外ではコンビニや駅、空港等ではWi-Fiを、通勤時の中央線車内、食事やアフターファイブのレストラン、居酒屋では通信キャリアのモバイルサービスを使っている。
時間的にはWi-Fi環境下にいる方がはるかに長いが、実際のデータ通信量はWi-Fiとモバイルとでは定量的にどのくらいなのかきちんと調べたいとずっと思っていた。ある日の夜、古くからの友人と氷点下のビールを飲んでいた時に、何気なくこの話をしたところ、「そんなの簡単にできるよ。iOSとAndroidのアプリに、「My Data Manager」(下記)というのがあるからそれを使えば、簡単にWi-Fiとモバイルのデータ量を調べることが出来るよ」と教えられた。

My Data Manager

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すぐにそのアプリをiPhoneとiPadにインストールして測定を開始した。

私の通信環境は、先ほど述べたように、①家、Wi-Biz、駅、コンビニ等ではWi-Fiを、②移動に使う車内、社外の打合せ場所、食事等ではモバイルを使用している、③端末ベースではiPhoneはWi-Fiとモバイルの両方を使い分け、iPadとノートパソコンはWi-Fiのみで通信を行っているという状況だ。
4月から7月までの月毎のWi-Fiとモバイルのデータ使用量を図1に示す。

私の想像以上にWi-Fiの使用比率が高く、4月に「1:9」だったものが、直近の7月には「1:29」にもなっている。もちろん、あくまで私個人のWi-Fiとモバイルのデータ比率であって、すべての人にあてはまるものではないと思う。
私はサイクリングが唯一の楽しみなので、五月の連休中やツールドフランスの開催期間中は毎日一時間近くYou Tubeでレースの様子を楽しんでいるためWi-Fi比率がぐんと高くなったものと思われる。
スマホやタブレットの普及のお蔭でコンテンツはますますリッチ化し、やり取りされる情報量は増大の一途をたどっている。図2は、私が毎日楽しんでいるコンテンツの情報量だ。

毎日、日経電子版をダウンロードしているが、朝刊と夕刊で毎日100MBのデータ量になる。一か月では3GBになる。You Tubeは画質にもよるが、毎分20から30MBのデータ量があるので、30分楽しめばそれだけで1GB近くになる。あるモバイルキャリアの一か月400円で雑誌読み放題のサービスも、週刊新潮一冊読むだけで100MB以上にもなる。私の友人の多くは、この定額読み放題サービスはとても気に入っているが、ダウンロードするのは家のWi-Fiで行いLTEでは絶対にやらないと言っている。因みに、私の4月のデータ通信をすべてモバイルでやったとしたら、2万円以上の通信料になる。

スマホやタブレットが急速に普及し、これ一台でメールも写真も音楽も映像も瞬時に世界中の人々とやり取りができる時代になった。それに歩調を合わせようにワイヤレスサービスは格段に高速になった。
ワイヤレスサービスがここまで浸透し料金とスピードの体系が今の展開となるなかでは、Wi-Fiはモバイルとともに人々の生活になくてはならないものになっていることは、私のデータ通信量と現在のリッチコンテンツサービスがどのくらいの情報量を必要とするかをみれば一目瞭然であろう。

今後、Wi-Fiは802.11ac、ah、adとさらに進化が続くが、これによりWi-Fiの通信における比率はさらに高まっていかざるを得ないと考えられる。
他方、Wi-Fiスポットが増え、利用機会とトラヒックが増えるに従って、Wi-Fi通信時の品質やセキュリティの問題も顕在化しつつある。次回は、これについて述べてみたい。


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