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海外情報
アマゾンがワイヤレス通信事業に参入か

岩本賢二

 5月31日、米国の株式市場では通信事業者の株価が一斉に下落するという現象が発生しました。時差のため、日本では「ワイヤレスジャパン2019」が終了した翌日の早朝のことでした。慌てて原因となりうるニュースを調べてみるとロイターから同日配信された「AmazonがSprintが提供するプリペイド携帯ブランドBoostの買収に興味」というニュースが見つかりました。

T-MobileとSprintはプリペイド携帯事業において市場シェアが縮小したため、合併を模索していますが、当局の承認を売るためにBoostを売却することを既に約束していると報じられています。AmazonがBoostを買収すれば、それに伴い現在SprintとT-Mobileが所有する周波数の一部も移行することに想定されます。

AmazonはこれまでKindleの発売だけではなく、自宅の電話をAlexa経由で利用できるEcho Connect製品により通話サービスの経験を積んできた背景があります。

Amazon Echo Connectによる通話サービス(Youtubeより)

このAmazonによる買収の可能性がニュースになったことで、市場では巨人Amazonがその大規模な会員情報を利用して、既存の通信事業者にとって競争上の脅威となると判断されたようです。例えば、アマゾンプライムユーザにSIMがバンドルされれば、多くのコンシューマがアマゾンのSIMに移行することが考えられます。

日本では既に同じくeコマースの雄である楽天が通信事業に参入しましたが、eコマースと携帯通信事業は莫大なシナジーをもたらすことが容易に予想されるため、世界中で同様の動きが起こると思われます。今後の動きが注目されます。

参照:

FierceWireless;https://www.fiercewireless.com/wireless/amazon-considering-a-bid-for-boost-mobile-reuters

Reuters:https://www.reuters.com/article/us-sprint-corp-m-a-t-mobile-amazon-com-e/exclusive-amazon-interested-in-buying-boost-from-t-mobile-sprint-sources-idUSKCN1T02OV?feedType=RSS&feedName=businessNews


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