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海外情報
米国キャリアが「ARヘッドセット」を独占販売開始

岩本賢二

 米国AT&Tが3月からボストン、シカゴ、サンフランシスコにある主力店で、拡張現実(AR)のヘッドセット「Magic Leap」の販売を開始しました。近年、VRヘッドセットやARヘッドセットのモバイル化が進み、携帯電話やスマートホンの仲間入りをしてきたと言えます。
Magic Leapは米国キャリアの中ではAT&Tが独占的に販売します。現在AT&Tのサイト上では「Magic Leap One Creator Edition」が2,295ドルで販売されています(残念ながら日本からの購入はできません)。

2015年に一連のデモビデオが発表され注目されてきたMagic Leapですが今回の販売が最初の商用販売となります。Magic Leap社はこのヘッドセットを「軽量ウェアラブルコンピュータ」と呼んでおり、現実世界の視野の中にデジタルオブジェクトを重ねて表示させることができます。
https://youtu.be/HD9jeo9M8vo

今回発売されるMagic LeapのパッケージにはLightwearというヘッドセット本体と、Lightpackという腰に装着する小型コンピュータが含まれています。LightpackのOSはLumin OSという独自のOSがインストールされています。
これ以外にもタッチパッドの付いた触覚フィードバック機能を持つControlやバッテリーチャージャーなども付属します。

このARヘッドセットはWi-Fi上で動作し、テレビや映画を鑑賞したり、家具をオンラインショップで購入する前に仮想的に家の中に設置した状態を確認することが出来そうです。さらにこのヘッドセットは没入型ゲームも利用可能です。
https://youtu.be/cZNYwEyC-Gc

開発元のMagic Leap社はAT&Tの5Gイノベーションプログラムに参加しており、ヘルスケア、小売、製造などの業界向けのARユースケースを5Gネットワーク上で実現するための開発やテストを行っています。
AT&TコミュニケーションズのCEOのJohon Donovan氏は以下の様な声明を発表しています。

「Magic Leapと共に、教育、遠隔医療、スポーツ、娯楽、そして日常経験の未来を素晴らしいものにしていきます。5Gはこういった没入型のインタラクティブコンテンツを至る処に配信する次世代空間コンピューティングの推進に役立ちます」

5Gのニュースではその低遅延性や大容量接続など性能ばかりが取り上げられますが、それらを一体何に使うのか?筆者としては5Gの特徴はこのようなVRやARデバイスに利用されることでその特徴を存分に発揮できるものと感じています。

参照:
https://www.magicleap.com/
https://www.fiercewireless.com/wireless/at-t-will-start-selling-magic-leap-ar-headsets-next-week
https://www.att.com/buy/accessories/specialty-items/magic-leap-black-one-creator-edition-size-1.html
https://about.att.com/story/2019/magic_leap.html


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