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海外情報
iPhoneに搭載されるApple「eSIM」のインパクト

岩本 賢二

今年リリースされたApple のiPhone XSには「eSIM」が搭載され大きな話題になりましたが、今回はこのApplle eSIMの最新情報をお届けしたいと思います。

皆さんはeSIMについてご存じでしょうか?Embedded Subscriber Identity Moduleの略称でSIMの次世代規格です。これまでのSIMは小さなチップカードを携帯電話に抜き差ししていましたが、このeSIMは携帯電話内部に「埋め込まれる」SIMです。

さらにeSIMは内部の情報を上書きしたりすることもできます。eSIMはSIMスロットが不要で端末を小型化出来るため、2013年頃からM2M用の機器に組み込まれ始めました。

eSIMの機能と用途

例えば海外に旅行する場合、私はいつもデュアルSIM対応のスマートフォンを使っており、日本のSIMはSIMスロット#1に差して通話のみをローミング受信する設定にし、もう一つのSIMスロット#2には現地のSIMを差しデータ通信と受発信通話をさせています。
そして、別の国に行くときは、クリップの先でSIMスロット#2を開き、現地のSIMに入れ替えるわけです。

以前、飛行機の中であの小さなSIMの抜き差し中にうっかり落としてしまい、暗く見つからず大変な事になったことがあります。
結局ベルトのバックルに引っかかっているのに気づき助かりましたが、eSIMを利用すればこの抜き差しが不要になり大変便利になります。

SIMの抜き差しが不要となるeSIMは、キャリアを簡単に乗り換えるために便利だと思われがちですが、Appleは異なる視点でiPhoneにeSIMを搭載しました。

個人の電話番号は通常のSIMとして刺しておき、会社の番号のような別の番号をeSIMに書き込むことで複数番号を同時利用出来るという使い方です。つまり携帯電話に複数の番号を持たせるために搭載しました。

米キャリアが揃って対応

AppleはiPhoneの新しいiOSをリリースしましたが、その結果、米国の各キャリアはeSIMへと移行することになりました。

AT&Tは既にiPhone XS等に対応中で、デバイスのアップグレードや追加の回線契約などに伴うSIM/eSIMに対しては追加の課金はないそうです。

Verizonは「明日にでもサポートを開始する」ようで、費用などに関してはまだ発表されていません。

T-Mobileは現在AppleのeSIMサポートに取り組んでいる最中だそうですが、それ以上の情報は出せないと言っています。。

Sprintは当初AppleのeSIMサポートを約束した事業者ではありませんでしたが、将来のある時点でサポートする事が確認されました。

このように米国ではiPhoneのeSIM対応に対して、着々と対応が進んでいるようです。
日本でも早く普及が進むと良いです。eSIMを利用した新しい使い方がどんどん増えてくると思います。

例えば、通話契約のみをSIMで行い、データ通信はeSIMを利用して有利な契約を選択したり、海外出張の際は現地のデータプランをネット経由でeSIMに入れて利用したり、ひょっとするとeSIMを通信以外の方法に利用するサービスも出てくるかもしれません。

参考:
https://www.fiercewireless.com/wireless/apple-esim-update-at-t-supports-now-verizon-to-support-tomorrow-t-mobile-working-it


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