技術情報
身近な存在になるVR、AR、MR

技術・調査委員会 松村直哉

最近、新聞や雑誌の紙面をにぎわせているのがVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、さらにこの2つを自在に使ったMR(複合現実)です。
VRの世界ではSONYのPlayStation VR*1やFaceBookが買収したOculus*2(オキュラス)などがよく知られています。
周りのゲーム好きが何人か購入はしていますが、まだまだ、お値段が高く普及機とは言えないかもしれません。

*1)http://www.jp.playstation.com/psvr/
*2)https://www.facebook.com/oculusvr/

このARの世界で一番よく知られているのがポケモンGOだと思います。ゲームの中でゲットしたポケットモンスターと仲良くツーショットの写真を撮ることができます。これはまさにAR初の普及的な利活用方法かと思います。
執筆中にポケモンGOのARでコイキングをデスク上ではねさせてみました。

 

一方、ビジネス向けのデバイスで一つ上げるとやはりマイクロソフトのHoloLensではないかと思います。

 

HoloLensはWindows10が搭載されたPCであり、ARを実現するためのヘッドマウントディスプレイという優れものです。ARでの臨場感を高めるためにスピーカが6個搭載され、目の前のジェスチャーをセンシングするためのセンシングカメラや周囲の環境を認識するカメラが4個も搭載されています。詳細は以下のWebページで紹介されています。
http://www.buildinsider.net/small/hololens/001

このHoloLensをビジネスに利用した例がJALの操縦士のシミュレーションです。パイロットの訓練用としてのフライトシミュレーターは操縦室を完全に再現しており、さらに操縦室が状況に合わせ揺れたり、振動したりします。
また、高額な製品であり正確な情報はありませんが20~30億円、利用時の電力が5万円/時間という飛行機が1機購入できるような設備です。
https://response.jp/article/2013/08/06/203749.html

この高額なフライトシミュレーターを安価に実現したのがHoloLensになります。
JALでのHoloLensの利用方法について以下のWebに紹介されています。20~30億円するフライトシミュレーターの簡易版ではあれ、同等の訓練が実現でき、費用対効果は抜群ではないかと想像されます。
https://www.pc-webzine.com/detail.html?id=451

話の流れは少し変わりますがVR、ARは2020年に実現される5Gサービスにおける、高速伝送、低遅延のメリットを最大限に生かすサービスであると思います。
つい先ごろ実施された音楽イベント「TOKYO IDOL FESTIVAL 2017(TIF2017)」で、ARを使って観客がステージのアイドルと一緒に自撮りができるというもので、「自撮り+AR」の造語でJidorAR(ジドラー)というそうです。
https://jidorar.com/

近い将来、HoloLensを使って自分自身がアイドルグループのセンターで踊っているのを見ることができるかも知れません。


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