イベント視察 2017 COMPUTEX TAIPEI
AR、VR、IoTの進化に驚き、若い企業も果敢にチャレンジ

無線LANビジネス推進連絡会会長 小林忠男

アジア最大のIT見本市「2017 台北国際コンピュータ見本市(COPUTEX TAIPEI)」が5月30日から6月3日まで台湾の台北市で開催されました。今年はAIとロボット、IoTアプリケーション、イノベーションとスタートアップ、ビジネスソリューション、ゲームを五大テーマに掲げ世界から1,600社が参加したとのことです。二日間の見学で私が面白いと感じた展示を三つご紹介します。

写真1

五大テーマのうち、興味深いものとして「InnoVEX」がありました。これは2016年から始まった、世界のスタートアップのチームに対して多元的な交流、アイデアの共有化、マッチング、資金調達のグローバルな場を提供するものです。すでにアジア最大のスタートアップ・プラットフォームとしての地位を確立し、世界23の国、地域から272社のスタートアップ、アクセラレーター、インキュベーターが出展しているとのことです。

私は今回聞くまで知らなかったのですがとても良い取り組みだと思いました、会場の中に若い企業が果敢にチャレンジする雰囲気を感じることが出来ました。因みに、日本企業からの参加はないとのことでした。

興味深い三テーマの一つ目はゲームで、VR(仮想現実)の展示がたくさんありました。台湾最大のIT企業である、ASUS、ACERをはじめとしてたくさんの企業が展示し、私にとっては物凄くリアルなゲームとVRを組み合わせたものが沢山ありました。

写真2

特に、しばらく前はASUS、HTCと並ぶスマホの一大メーカーであったACERをはじめ、msiは写真2に示すように大きなブースがすべてゲームとそのための装置の展示でした。
何故、こんなにゲームの展示が派手に行われているのか質問したところ、台湾が得意としてきたパソコンビジネスも以前ほどは売れなくなり、新しい市場の開拓が必要でありVRとゲームの組み合わせによる新しいビジネスの創出が必要ということでした。

写真3

若いきれいな説明員がボクシングをしています。

二つ目は、AR(拡張現実)です。
実は、ARとVRの違いをよく理解していないかもしれませんが、両方とも現実では見えないものが、革新的な技術進歩によって目の前に、あたかも本当にあるように見え、聞こえ、触ることができます。
見えない相手とボクシングをしたり、手すりのない橋を渡ったり、目の前にマニュアルや操作手順があっという間に出てくる、そんな時代がもう間近に迫っているように感じました。

写真4

写真4はASUSのブースで実演していたARのデモです。

写真が小さくて見えにくいかもしれませんが、私のスマホの画面の中に現在世界中を騒がせているトランプ大統領が出てきて何かを話します。写真にはありませんが、トランプ大統領の前にヒラリー・クリントン候補が出てきて会話を始めます。
私の希望は、技術が進歩してVRの大きなメガネのような端末は不要で、目の前にその時に必要とする地図やさまざまの情報が投影されるARが早く実現することです。是非、そうして欲しいと思いました。
私の大好きなサイクリングの時に目線を下げてサイクルメータを見なくても、また、後ろから来る大型のトラックの状況が目の前に太陽のもとで明瞭に見ることが出来たらと願います。

興味深かった三つ目は、二年前に比べて、スマートホーム、IoTの展示が進化し洗練されたものになってきたことです。

 

家にある端末、デバイスがインターネットにつながりクラウドで様々な利便性を作ることが現実になってきました。そこにWi-Fiが必ず使われています。
こんな使い方もあるのか、こんなWi-Fi製品もあるのかと、なんにでもチャレンジする台湾パワーを強く感じました。石橋をたたかないと渡らない日本の企業との違いを見るようです。

Wi-Fiは、これから本格的な幕開けとなるスマートホーム、さらにあらゆる分野のIoTまで、至るとことで使われます。Wi-Fiなくしてスマートホーム、IoTはないと言っても過言ではないと思いますが、どんなものが主流になるかはまだよく分からないのが現状です。
アンライセンスのWi-Fiの特長を活かして、まずはやってみることが成功の早道の気がします。


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