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技術情報(イベント報告)
「OpenRoaming Innovation Summit 2026」を初開催、社会実装へ議論

一般社団法人無線認証連携協会(Cityroam) 代表理事
株式会社グローバルサイト 代表取締役
山口 潤

1月27日、Wireless Broadband Alliance(WBA)主催の「Wireless Global Congress APAC 2026(WGC APAC)」が開催されるのに合わせて、一般社団法人無線認証連携協会は1月26日に「OpenRoaming Innovation Summit 2026」を開催しました。
本イベントは、WGC APACが国際会議として英語で開催されるのに対し、国内の関係者にとってより分かりやすく、身近な形でOpenRoamingを議論する場を設ける必要があるとの考えから、日本語で、日本の実例を交えて開催されたものです。

日本におけるOpenRoaming導入・運用状況を広く紹介

OpenRoaming Innovation Summit 2026では、日本国内におけるOpenRoamingの導入・運用状況を整理し、関係者間で共通認識を形成することを目的として、複数のセッションが行われました。OpenRoamingの基本的な仕組みやアーキテクチャの説明に加え、自治体や事業者による導入事例、運用の考え方について幅広く紹介が行われました。

まず、午前中は技術セクションとして、東北大学サイバーサイエンスセンターの後藤准教授により、「Cityroam/OpenRoamingの理念とアーキテクチャ」をテーマに講演が行われました。講演では、無線LANローミングの歴史を振り返りつつ、eduroam、Cityroam、OpenRoamingへと至る背景や、それぞれの位置付け、アーキテクチャについての解説が行われました。
続いて、国立情報学研究所 アーキテクチャ科学研究系の坂根准教授より、OpenRoamingとeduroam併用の効果と必要性や、今後の発展の方向性について紹介が行われました。

 

 

午後からは、社会実装、事例、導入要件にフォーカスしたセクションが設けられました。
本セクションでは、まず東京都より、「つながる東京」施策におけるOpenRoamingの整備状況や、区市町村への支援の取り組みなどについて紹介、続いて一般社団法人無線認証連携協会からは、国内におけるOpenRoamingの位置付けや、協会としての取り組みについて説明が行われました。
その後、OpenRoaming関連ソリューションを提供する複数の企業より、公衆Wi-Fi整備における具体的な事例や、導入・運用に関する考え方について紹介が行われました。OpenRoaming対応機器や認証基盤の構成、コスト面や運用面での検討事項、観光や防災といった利用シーンを想定した活用の方向性など、社会実装を進める上での実務的な観点が共有されました。

 

 

続いて、「海外におけるOpenRoaming展開」として、Wireless Broadband Alliance(WBA)のCTOであるBruno Tomas 氏を迎え、海外におけるOpenRoamingの最新動向や、エコシステムの広がりについて講演が行われました。

講演では、WBAにおけるOpenRoamingの位置付けや、OpenRoaming Federationの枠組みについて紹介が行われるとともに、医療、教育、自治体、商業施設など、世界各地でOpenRoamingの導入が進んでいる状況が示されました。あわせて、IdPとネットワーク事業者が連携するエコシステムの広がりや、対応機器・ベンダーの拡大など、国際的な展開状況について説明が行われました。

 

 

OpenRoaming Innovation Summit 2026では、国内におけるOpenRoamingの技術的背景から、社会実装、導入事例、さらに海外動向までを整理し、日本の関係者が共通の前提を持って議論するための情報共有を行いました。
WGC APACに先立ち、日本語で、日本の実例を交えて議論する場を設けることで、国際的な動向を踏まえつつ、国内での実装や運用を検討するための基盤づくりの一助となる機会を提供できたと考えております。

なお、本サミットで使用した資料については、近日中に一般社団法人無線認証連携協会のWebサイトにて公開する予定です。

グローバルなWi-Fi技術の最新動向を共有する国際会議「WGC APAC」

翌1月27日には、一般参加も可能なWGC APACのOpenCongressが開催されました。本イベントは、グローバルなWi-Fi技術の最新動向を共有する国際会議として位置付けられており、今回は東京都との連携のもと、日本市場の状況や取り組みについても紹介が行われました。

会期中は、Wi-Fi 7およびWi-Fi 8をはじめとする次世代Wi-Fi技術、Wi-Fi HaLowの実導入事例、Wi-Fiとセルラーの連携、AIを活用したネットワーク運用、低遅延通信(L4S)など、Wi-Fiを取り巻く幅広いテーマについて議論が行われました。また、日本市場に関する調査結果や、災害対応を含む公共分野でのWi-Fi活用など、日本ならではの課題や特徴を踏まえた内容も紹介されました。

OpenRoamingに関しては、日本における導入事例として、自治体や事業者、当協会による取り組みが紹介されるとともに、東京都による公衆Wi-Fiの整備事例についても共有が行われました。利便性とセキュリティの両立を重視した取り組みとして、国際的にも注目される事例であることが示されました。

また同日には、東京都とWBAの間で、OpenRoamingを含むワイヤレス分野における連携を目的とした覚書(MoU)の署名式が行われました。東京都の小池知事をはじめとする関係者が出席し、今後の協力関係に向けた意思が示されました。

本イベントを通じて、Wi-Fiを取り巻く技術やエコシステムがグローバルに進化していることに加え、日本における取り組みがその議論の一部として位置付けられていることがあらためて共有されました。

 

 


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