目次ページへ

毎月の記事やお知らせをぜひお見逃しなく!
メールマガジン配信登録は☆こちらから☆

自治体紹介 長野県松本市
松本市における公共施設へのWi-Fi整備

松本市総合戦略局DX推進本部 次長補佐 岩崎 博

長野県松本市の「DX・デジタル化」に向けた取り組みについて、総合戦略局DX推進本部 岩崎博次長補佐に、公共施設におけるWi-Fiの整備・活用を中心に紹介していただきました。(編集部)

デジタルシティ松本のシンカに向けたエコシステム

松本市では、令和3年に策定した総合計画に「DX・デジタル化」を重点戦略として位置付け、地域が持つポテンシャル(三ガク都)に最先端のテクノロジーが融合した「デジタルシティ松本」の実現に取り組むこととしました。さらに、これを推進する具体的な方向性として、令和4年2月に「DX・デジタル化推進に関する骨太の方針」を策定し、5つの「目指す姿」を掲げました。
快:デジタルでタイムリーに結ばれた便利で快適なまち
豊:デジタルで大都市並みに仕事ができ豊かに暮らせるまち
育:デジタルで好奇心をくすぐり未来を育むまち
安:デジタルで人と情報がまもられる心安らぐまち
挑:デジタルのフィールドで新しい自分に挑戦できるまち

これにより、社会のデジタル化では、デジタル革新を構造改革の原動力に、目指す姿「デジタルで大都市並みに仕事ができ豊かに暮らせるまち」、「デジタルのフィールドで新しい自分に挑戦できるまち」の実現に向け、使命(ミッション)に掲げる人口の定常化に挑みます。具体的には、次の取組みを一体的なパッケージとして、同時かつ長期にわたって継続的に実施することで、デジタルシティ松本のシンカの「イノベーション・エコシステム」を形成していきます。
・実感できるサービスづくり
令和5年4月に産官学による「デジタルシティ松本推進機構(DigiMAT)」を設立。都市部の企業などからの投資を呼び込み、市民が恩恵を実感できる「デジタルサービス」を生み出す。
・価値を生み出す人づくり
デジタルで地域の新たな価値を生み出せる人を育む「学び」の場を提供する。
・持続する産業づくり
令和4年10月に開所したデジベース松本を拠点に、地元中小企業のデジタル実装を支援。松本で働くことを希望する若者・女性の「仕事」の場を広げる。
・デジタルシティの土台づくり
市民の「デジタル活用意欲」を醸成する。

※デジタルシティ松本のシンカ(ホームページ)
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/site/digitalcity/

 

 

公共施設への公共Wi-Fi整備

イノベーション・エコシステムの「デジタルシティの土台づくり」-「市民のデジタル活用意欲を醸成する」取組みの一つとして「まつもと コミュニティ Free WiFi」(以下「公共Wi-Fi」)があります。
公共Wi-Fiは、指定避難所や防災拠点である市内の地区公民館や支所、貸館施設、保健センターなど48施設に公衆無線LAN環境を整備したもので、パソコンやタブレット等からインターネットに無料で接続できるサービスです。接続にあたっては、ウェブブラウザから認証(メールアドレス認証またSNS認証)を行うかまたは接続アプリ「Japan Wi-Fi auto-connect(Japan Connected-free Wi-Fi)」を用いた認証を行うことで、利用できます。

 

 

平時は市民が各種講座や公民館活動に参加する場合や企業等が研修や会議で公共施設を利用する際におけるICTを利活用した効果的な活動に加え、災害時は認証を必要としないアクセスポイントの災害時開放を行うことで、避難者等が情報収集・発信を行えるようにしています。

アクセスポイントの災害時開放

松本市において、災害用統一SSID「00000JAPAN」を提供するため、無線LANビジネス推進連絡会(WiBiz)の特別会員として入会申請を行い、承認をいただきました。災害時のSSIDについては、当然固有のSSIDによるものも検討を行いましたが、災害用統一SSIDはサーチ結果の最上位に表示され、視認性にすぐれていることから、松本市でも採用することとしました。

 

 

 

実務としては、平成30年度に公共Wi-Fiを整備してから、計5回、災害時開放を行い「00000JAPAN」を発動しました。
第1回目 令和元年10月12日~13日 台風19号に伴う災害時開放
第2回目 令和2年7月8日 大雨特別警報に伴う災害時開放
第3回目 令和3年8月14日~16日 停滞前線の影響による大雨に伴う災害時開放
第4回目 令和5年6月2日 大雨警報(土砂災害)に伴う災害時開放
第5回目 令和5年7月2日 大雨(土砂災害の危険性)に伴う災害時解放
ここ数年、異常気象により「100年に1度」と言われてきた記録的大雨が何度か発生していますが、市民により身近な地区公民館や貸館施設などにWi-Fi環境を整備できていたからこそ、いずれの災害においても避難者の通信環境を確保することができました。

 


目次ページへ

■Wi-Biz通信(メールマガジン)の登録はこちら