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導入事例
北海道の航空公園「たきかわスカイパーク」に

降雪にも耐えるミリ波中継でWi-Fiを設置

渉外・広報委員会長 江副 浩

 グライダー訓練のために訪れた北海道滝川市にある「たきかわスカイパーク」は、「Cuロッジ」という宿泊施設も兼ね備えた国内最大のグライダー飛行が可能な航空公園です。
ここに数日間宿泊して、グライダーのフライトに没頭するのが私にとって至福の休日の過ごし方なのですが、残念なことが一つだけありました。昨年までこの宿泊所がWi-Fi対応になって居らず、不便をしていたのです。大学生など若い人も利用する施設なのですが、数日宿泊しているとパケ死に陥ってしまうという悲しい状況でした。
そんな中、この宿泊所を高速Wi-Fi化しようという計画が持ち上がりました。「Wi-Bizメンバーの私が手伝わない訳にはいかない!」という訳で、高速Wi-Fi化のお手伝いをしてきましたのでレポートさせていただきます。

国内最大のグライダー飛行が可能な「たきかわスカイパーク」

たきかわスカイパークは北海道滝川市中島町の石狩川河川敷にある国内最大のグライダー飛行が可能な航空公園です。幅20m長さ800mの舗装滑走路を中心に遊歩道や公園、スカイミュージアム、宿泊施設(Cuロッジ)、管理棟(ハブハウス)など様々な施設が揃っており、パイロットではない人でもグライダーの飛行を見たりスカイミュージアムを見学したりできる施設です。

北側からみた敷地全景 スカイミュージアム

 

スカイミュージアムの中には私たちがフライトで実際に使うグライダーが所狭しと並んでおり、一般の人も入場料を払えば見学することが可能です。

 


スカイミュージアムの内部

 


管制塔のようなタワーが特徴の宿泊施設Cuロッジ

 

宿泊施設のCuロッジは管制塔のようなタワーが付いています。1階は整備工場(ワークショップ)になっており、2階が宿泊施設で20名程度が宿泊可能です。

たきかわスカイパークは雪の多い地域にあるため、冬の期間は雪のため閉所しています。しかし、4~11月までの期間は多くのパイロットで賑わいます。ほとんどのパイロットが関東や関西など北海道以外の地域から集まってきます。
特筆すべきは北海道の大自然の中、グライダーの飛行に欠かせない上昇気流が多く発生し、ダイナミックなフライトが経験出来ることです。

 


アクロバット飛行訓練に出発するところです

 


気持ちよく旋回をしているところです

 


飛行中の景色は絶景です!雲のすぐ下に他のグライダーが見えます

 


何もかも美しい場所なのです

宿泊施設「Cuロッジ」に光ファイバーが来ていない

今回宿泊施設であるCuロッジをWi-Fi化しようと計画しましたが。それにはふたつの問題がありました。
・20名程度が同時アクセスに耐えるインフラとアクセスポイントが必要
・Cuロッジには光ファイバが来ていない(ハブハウスまでのみ)

当施設には「ハブハウス」までは光ファイバのインターネット接続が来ているのですが、ハブハウスとCuロッジの間は100m以上離れており、間の道は飛行機を輸送する経路になるので新たに光ファイバなどを敷設するのが難しい状況です。


ハブハウスとCuロッジは離れています

 ハブハウスに来ているインターネット接続をどのようにしてCuロッジまで繋げるのか、さらにCuロッジの宿泊者全員が快適に使えるアクセスポイントをどうするのか検討を行いました。

60GHz帯ミリ波中継で高速伝送実現、雨雪対策も

ハブハウスからスカイミュージアムまでは有線ケーブルを敷設し、スカイミュージアム屋上からCuロッジ屋上までミリ波中継のSiklu社製EH-600TXで伝送を行い、Cuロッジ内ではフルノシステムズ製のAcera1110を2台設置することにしました。
ミリ波中継は60GHz帯の電波を利用するため干渉に強い特徴が有り、さらに1Gbpsと高速伝送が可能になります。今回の伝送距離は実測で108mあります。さらに降雪に耐えるための超撥水特殊塗装が施され、さらに雨や雪に弱いと言われるミリ波中継の弱点を補うアダプティブモジュレーションという機能が付いています。これは強い雨などで電波の飛びが悪くなりそうになると通信速度を落とすことで切れないように自動調整するという優れた機能です。
またアクセスポイントAcera1110は法人向けに開発されたパワフルなアクセスポイントで学校の教室などで同時アクセスに耐えることが実証されている製品です。
施設が閉館している冬の間で雪が降る前に設置しようと計画を立てました。が、しかし数日だけ間に合わず実際に設置に行った日はこの雪でした。


滑走路は完全に雪に覆われています

 


スカイミュージアム横にパケット車を横付けして設置用の柱を設置します

 


スカイミュージアムに柱が設置され、ネットワークとアースの線が来ました

 


柱の場所からCuロッジをみるとこんな感じ

 


柱にSikluを設置しました

 


電圧を測ると受信感度が分かるようになっています。-31.8dBmの受信値。良好!

 


最高気温マイナス5℃!寒さで思考回路が低下します。

 


Cuロッジ側からスカイミュージアムをみるとこんな感じです

 


Cuロッジの屋上から2階のホールまで有線を引いて繋げます

 


ホールの見渡せる場所にAcera1110を設置

 


もう一台のAcera1110は宿泊施設の廊下の真ん中に設置することで全部屋をカバー

 

強い降雪でも1Gbpsのスループット

こうしてWi-Fi 化が実現しました。100m以上の距離を無線で中継しているにも関わらず、光ファイバ直結のWi-Fiと変わらない性能でインターネット接続を提供することが可能になりました。また強い雪が降っている状況でも中継部分は1Gbpsのフルスペック速度で繋がっていることを確認出来ました。2ヶ月ほど様子を見た状態では、ミリ波中継器のレドームに雪が付くことも無く、システム全体は安定して動作しています。
春になり開所した際には是非訪問して、宿泊者による実利用でどの程度のパフォーマンスが出るのかを確認しに行きたいと思います。

参照先:
たきかわスカイパーク:https://www.takikawaskypark.jp/
Sikluのサイト:https://www.hcnet.co.jp/products/wireless/fwa/multi-haul.html
Aceraのサイト:https://www.furunosystems.co.jp/products/musenlan/ACERA_1110/

 


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