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ご挨拶
一般社団法人としての一年目を終えて

一般社団法人 無線LANビジネス推進連絡会 会長 北條 博史

昨年8月29日に臨時社員総会を経て、9月1日から正式に「一般社団法人無線LANビジネス推進連絡会」としての活動をスタートしました。半年余りの活動を終え、今月2日に第1期定時社員総会を無事開催することができました。

新型コロナウィルスの影響で、残念ながら例年のような集合型での総会は自粛となり、Web会議を併用した形となりました。

法人としての一年目を終えるにあたり、活動内容をご報告するとともに、新型コロナの影響を踏まえた、今後の取組みの方向についてご紹介したいと思います。

一般社団法人への移行について

昨年度の最も大きなトピックは一般社団法人への移行です。目的としては、無線LANビジネス推進連絡会の一層の発展、社会的信用の確保ということです。今や無線LANが通信インフラとしてなくてはならないものとなってきており、無線LANビジネス推進連絡会としても様々な社会的な要請により積極的に応えていかなければならなくなっております。例えば「00000JAPAN」については、災害時にマスコミにも災害対策事項として紹介される状況になっており、その運用についても、ボランティアベースではタイムリーな情報提供ができない可能性があり、一般社団法人として責任ある運営体制を構築することが必要となっておりました。

一般社団法人無線LANビジネス推進連絡会の設立は7月18日ですが、8月29日の臨時社員総会を経て、9月1日から正式に法人としての活動を開始しました。移行にあたって、それまで任意団体に加入いただいていた会員(135団体)に、そのまま新法人に移行いただき、無事に船出することができました。

受託案件について

法人化のもう一つの目的は、活動をより社会的に拡大するにあたって必要となる収益基盤の確保にあります。法人になることによって、社会的信用を確保し、社会的な業務を直接受託することが可能になります。官公庁や自治体、社会的諸団体、業界企業などからWi-Fiの発展に向けた様々な受託業務を引き受けることがスムーズとなります。

昨年9月以降、Wi-Fiの業界団体としての特徴を生かせるような調査案件、普及促進案件を受託することができました。そして、この案件を実行するなかで、会員企業の皆様のWi-Fi事業における知識や経験を社会的に還元することができました。

発注いただきました総務省様や業界団体、またご協力いただきました会員の皆様に改めて御礼申し上げます。

決算報告と初めて納税について

第1期定時社員総会で決算報告を実施しました。これまで会員企業の会費収入で活動を展開してきたわけですが、受託案件については新たに特別会計を設け収入を明確化し最終的に約150万円の黒字を計上することができました。これにより、Wi-Biz活動の拡大、活発化に向けての基盤を作ることができました。

台風による「00000JAPAN」発動の頻発について

昨年は夏以降に台風が連続的に来襲し、大きな風水害が発生しました。「00000JAPAN」は計3回発動しましたが、特に台風19号については、数十年に一度の強烈な台風であったため、「00000JAPAN」として初めて、被害が起きる前に発動しました。

台風が通過中のタイミングで、NHKの画面外周のメッセージで「00000JAPAN」の紹介をしていただきましたが、実はその時間帯にはWi-Bizホームページにアクセスが集中したために、一時的にページを表示できないといった輻輳状態になってしまいました。

発動情報のホームページ掲載はこれまで手動で行っておりましたが、やはりタイムリーに実施する必要があることから、総務省の施策である「Lアラート」のシステムと連携することにより、タイムリーにLアラートへ通知が送信され、またその情報をWi-Bizホームページに自動的に掲載できるシステムの開発を行いました。

なお、「00000JAPAN」の施策をより充実させるため、10月より「00000JAPAN推進委員会」を新たに設立しました。

テレワークによるセミナーの開催について

新型コロナ感染拡大で、集会など多くの人が集まる会合は自粛という状態ですが、Wi-Bizではいち早くテレワークでのセミナーの開催を行いました。

まず、3月13日には「無線LAN最新制度化に関するセミナー」と題して、初めてWebセミナーとして開催しました。これは、講師やスタッフは会場に集まりましたが、聴講者のほとんどはWeb会議システム(Webex:シスコ製品)で参加しました。テーマも興味深いものでしたが、周知連絡が2週間前という直前であったにもかかわらず、普段以上の多くの方々に参加者いただきました。

さらに年度は替わりますが、4月28日には「総務省補助金勉強会」を講師やスタッフもすべてテレワークで行う、完全遠隔セミナーを開催することができました。いずれも大きなトラブルはなく、アンケート結果も良好なものが多いという結果になりました。

第2期に向けて

第1期を終えて、活動領域を拡大し、社会的に要請にお応えしながら、ともかく黒字で決算を迎えられたことは、大変喜ばしいことですが、ひとえに関係者の皆様の温かいご支援によるものであり、2年目こそが今後のWi-Bizの方向性を決める重要な年として位置付けられると考えております。

技術的にはローカル5GやWi-Fi6の導入に加えて、新たな周波数の割り当てに向けた検討が始まったIoT用無線LANである802.11ah(Wi-Fi HaLow)など、新しい無線方式の活用も積極的に行っていくことがポイントだと考えております。また、セキュリティや品質の問題についてもWi-Bizとしてアウトプットを出していく必要があると考えております。

限られたリソースではありますが、Wi-Fiの様々な活用を円滑に進めることができるようWi-Bizとして会員の皆様のビジネスのバックアップができればと思います。

ポストコロナ(ニューノーマル)の新しい生活様式の実現に向けて

当面は大勢の集合会議の開催はできないと考えられますが、これまでの経験から、テレワークでの会議の方がむしろ集客率や出席率が高いという結果が出ていることから、今後もいろいろな形態の会合をテレワークベースに実施し、その運営方法などいろいろなノウハウを貯めていきたいと考えています。

コロナの影響でオリンピックパラリンピックが延期になり、5GやWi-Fi6の出鼻をくじかれた格好ですが、実はまたこのコロナの影響で、図らずも進展した、テレワークを前提とした新たな生活様式の確立・定着(ニューノーマル)が望まれています。

そのためにWi-Bizとしては、それぞれの業態において、Wi-Fiを活用した様々なテレワークの形態について、どのようなソリューションがあるのか、さらにはそれらを5Gや、今後多様化する自営の方式(ローカル5G、Wi-Fi6、Wi-Fi HaLowなど)をどう組み合わせて実現していくのかについても、提案できるようになれればと考えております。

今後とも会員の皆様の支援ができるよう、努力してまいりますのでご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。


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