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事例紹介
東京都渋谷区 帰宅困難者向けWi-Fi環境と防災ポータルを整備

渉外・広報委員会 江副浩

今回は、第三回となります。東京都渋谷区の事例で、区外からの来訪者の多い渋谷区で帰宅困難者に向けて屋外の防災環境と区民向けと区民以外向けに向けて防災ポータルを整備したという事例です。

東京都渋谷区(しぶやく)の基礎情報について

人口:9224,680人

世帯数:3136,259世帯

高齢化率:18.9%

財政力指数:0.96(2017年度)

Wi-Fi利用拠点数:5

アクセスポイント数:6

整備開始:平成26年

域内指定緊急避難場所数:9

域内指定避難所数:33

Wi-Fi環境整備実施の経緯について

東日本大震災で多くの帰宅困難者が出た渋谷区では、帰宅困難者がスムーズに情報収集が可能となるよう平成25年度にWi-Fi環境整備を進めることが決まりました。Wi-Fi環境整備において、総務省の「防災情報ステーション等整備事業」(平成25年度)の補助金制度があったため渋谷区防災課ではこの制度を利用し平成26年に整備を実施しました。Wi-Fi環境のターゲットは帰宅困難者だったため、整備個所は主に主要幹線道路沿いとしました。また設定されたSSID「0000Shibuya_City」は平時も利用可能にしています。

渋谷区では防災課以外にも商工観光課などの他の課が整備したものや民間の事業所が整備しているWi-Fi環境があり、これらを合わせるとアクセスポイントの数は200を超える数となり、様々な地点でのWi-Fi環境の提供が可能となりました。

Wi-Fi環境整備の内容

今回整備したWi-Fi環境は6アクセスポイントを利用した5か所になります。帰宅困難者向けであるため整備個所は主要幹線道路沿いの屋外で明治通り沿い2地点、甲州街道沿い1地点、青山通り沿い1地点、渋谷区役所前交差点1地点となります。

またWi-Fi環境とともに区民向けと区民以外向けに防災情報のポータルサイトも整備しました。平時は区及び観光協会のホームページのみをアクセス可能とし、災害時のみ他のページもみられる想定でしたが、現在は平時でもアクセス制限を解除し他のページも見ることができるようになっています。今回整備したWi-Fi環境だけではなく、既存のWi-Fiスポットからも、防災情報のポータルサイトにはアクセスが可能です。

また、災害ポータルサイトは区民向けと区民以外向けで異なる情報を提供していますが、同じページにこれらが混在すると情報量が多く見づらくなるため、タブによりページを分け、視認性の良いサイトの作成を意識しました。

整備運用費用について

渋谷区防災課が整備した5か所についての整備年度におけるWi-Fi環境整備費用は以下の通りです。

年度:平成26年度

整備費用:約35,000,000円

設置個所:5か所(公共空間)

利用制度:平成25年度防災情報ステーション等整備事業補助金(約17,600,000円)

運用費用:運用費として以下のものが挙げられます。

無線LANインターネット接続利用料:67,080円/月(5か所合計)

回線利用料:35,000円/月(5か所合計)

設備保守費:25,000円/月(5か所合計)

月額保守の総額:127,080円/月

Wi-Fi環境整備効果

渋谷区防災課では、日ごと・地点ごとにWi-Fi利用者数を集計しています。利用者の多寡は地点や日によって大きく異なっていますが、全体で平均すると1地点の1日あたりの利用件数は20~50件になっています。

参照先:

総務省「地方公共団体におけるWi-Fi整備・利活用事例集」http://www.soumu.go.jp/main_content/000618328.pdf


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