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AHPC活動報告
「802.11ah」初の実験局開設へまい進

802.11ah推進協議会 事務局

発足後、3ヶ月を経た「802.11ah推進協議会(AHPC)」の活動状況について報告します。

概況

802.11ah推進協議会(略称: AHPC(802.11ah promotion council)は、昨年11月7日、IoTに最適なWi-FiであるIEEE802.11ahの日本での導入促進を目的とした団体として発足し、設立時56団体の参加でスタートしました。さらにその後、キャリアに加えてメーカーやSIer、学術団体に至るまで、幅広い団体が参加して、1月28日時点で75団体の皆様が会員になっています。


実験局開設へ向けて

IEEE標準規格802.11ah(Wi-Fi HaLow)は、920MHz帯の周波数を利用する通信手段のひとつで、特にIoTの通信システムとして様々な分野で活用が期待される新しい種類のWi-Fi規格ですが、特長を活かしつつ他方式と共存する条件が定まっていないため、未だ国内利用が出来ません。

AHPCの活動目的は、現段階では国内で利用できない802.11ah規格の利用実現を行うことであり、今年は、一日も早く実験局を開設し、国内初となる実証実験(トライアル)を開始するための活動を行っています。

最初に開設する実験局には、AHPCとMoUを締結した先行チップベンダである米国Newracom社のチップによる装置を用いることとしており、早期の実験局開設のため、具体的な実験の内容・場所、実験設備の構成、実験スケジュール、電波諸元、周波数、実験局の運用条件等を折り込んだ実験計画を策定中であり、速やかに、総務省当局への実験試験局免許申請を行えるようまい進しています。

タスクグループ(TG)活動の本格化

AHPCでは、発足時の総会で承認された活動目的に基づく事業計画に則り、「技術TG」および「マーケティングTG」の二つのタスクグループ(TG)を設置し活動しています。

技術TGは、まず前述の802.11ah規格による国内での実験局開設に取組んでおり、①実験局を用いた実証実験(トライアル)を具体化するグループ、②共存条件の明確化を行う共存評価・標準化グループの活動メンバーの募集を行っており、今後具体的な活動を進めてまいります。

マーケティングTGは、技術TGに先行して、802.11ah規格の国内利用を推進するマーケティング活動を行うメンバー募集を行っており、このメンバーによる第1回会合を先月、開催しました。この会合を踏まえ、①ユースケースの創出に関する活動、②啓発に注力する活動の2テーマに基づいて活動していくこととしました。

これから、各TG活動が本格化してまいりますので、AHPC会員の皆さま方の各TG活動への積極的な参加をお願い申し上げます。

IoT向けWi-Fiを一刻も早く日本でも利用可能へ

802.11ahは、「Wi-Fiの伝送距離が拡大」「端末・アクセスポイント・クラウドまでエンドエンドでユーザが自由にネットワーク構築可能」「フルオープン・IPベースのWi-Fiファミリー」「数Mbpsのスループットの可能性を有する」という特徴を持つことから、多様なユースケースへの適用を実現し、IoTを活用した社会的課題の解決手段の選択肢の拡大や利便性向上に寄与しようとするものです。

AHPCは、これからますます活動を加速して、お客様により安心で快適なWi-Fiソリューションを提供する営みの一環として、IEEE802.11ah商用システムの国内利用の早期実現に向け活動してまいります。

引き続きAHPCへの、Wi-Biz通信・メルマガ読者の皆さまからのご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。


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