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ビジネス情報
新型iPhone 、実際に購入してみて分かったこと

無線LANビジネス推進連絡会会長 北條 博史

恒例となっている9月の新型iPhoneが発売されました。
日本の場合、大手3キャリアがすべて同じ機種を同じタイミングで販売を開始しています(予約日時まで同じ)。
海外から見るとちょっと違和感があるのではと思いますが、もはや恒例の行事となりました(Appleショップで直接買う方法もあります)。

購入価格は$1,000越え

Appleから価格について表1のように発表がありました。
米国での発表では、最安機種がかろうじて$1,000以下($999)で、それ以外は$1000超え$1,500以下であったことが報道されていましたが、日本円での発売となると最も安価な機種でも10万円超え、さらに最も高価な機種で18万円近くの価格が付きました。

これは、デスクトップPCでも高いほう(ハードディスクタイプではなくSSDタイプ)のPCと匹敵する値段になります。驚きの価格です。

携帯電話を契約すると安くなるからくり

携帯3社が発表した定価は表2の通りになります。そもそも定価が携帯3社で異なり、また表1のAppleショップとの価格とも異なっているので、全く悩んでしまいます。

定価(表2の赤字)を比較すると、ドコモ、auはAppleショップで買うよりも約6,000円高く、ソフトバンクは15,000円も高くなっています。なぜ同じもの(iPhone)を、同じところ(Apple)から仕入れているのにこれだけの価格差があるのかわかりません。

ただ、そもそも割引を受けずに携帯電話を購入する人はいないと思うので、重要になるのは割引後の価格(表2の青字)ということになります。それを比較した場合、auとソフトバンクはほぼ同額になり、ドコモが他社より6,000円高くなっていることがわかります。
つまり、ソフトバンクは、定価は高いが割引もそれに応じて高く、結局実質価格は同じになるということです。

実は割引にはいろいろなパターンがあり一概に比較できない部分があるのですが、ここで割引については、機種変更でかつ2年契約の割引を受けた場合について、実施負担額を計算しました。
https://wayohoo.com/ios/news/comparing-the-japan-price-of-iphone-xs-max.htmlから引用)

ちなみに、他の割引については、例えばauのみ新規およびMNP契約の場合さらに1万円弱の値引きがあり、またソフトバンクは新たな契約形態(48回払いで2年後に半額サポート)が追加になっています。

無条件にもらえる割引とは結局?

表2を見ると、携帯3社はいずれも、2年契約を前提に機器を購入した人全員に5~7万円の補てんをしていることがわかります。つまり2年ごとに買い替えるとして、毎月2,500円~3,000円の購入代金の補てんをしていることになります。

これは、先日、政府の菅官房長官が「日本の携帯電話は高い。値下げの余地がある」と発言して、大きな話題となりましたが、もし、iPhone 本体価格を全額契約者が最初に払ってくれる(補てんしない)のであれば、何の予算的な措置も必要なく、毎月2,500円以上値下げできるということになります。

これは、購入時のインセンティブという日本独特の契約形態が、月々の料金を底上げしているとも考えられます。ただし、仮に、購入代金を全額支払い、毎月の料金を値下げしたとすると、端末の買い替えのモチベーションがなくなり、端末自体の売れ行きが激減する可能性が出てきます。

売れる量が少なくなると、端末メーカは苦しくなるかもしれません。でも最近、メジャーな端末のほとんどは海外メーカなので、日本としては……。

実際に購入してみた

私もiPhone XS MAX(256GB)をドコモ契約で実際に購入してみました。

購入契約の条件としては、表2の条件:2年契約で2年前(9月)に購入した機種(iPhone7 Plus)を下取りしてもらう:形としました。

表3をご覧ください。実は下取り価格にも差があることがわかりました。一年前発売のiPhone Xの下取り価格はほとんど変わりませんが、それ以外の機種は1万円弱の違いがあります。また購入するときはメモリの量により大分値段は違いますが、下取り時は変わらないことがわかります。

 

よく見るとわかりますが、ソフトバンクの場合は、最も安いiPhone XS(64MB)の機種変更で、昨年のiPhone Xを下取りすると、差し引き0円になることがわかります。残念ながらソフトバンクとは契約したことがないので、本当に負担がゼロになるのかはわかりません。

ドコモの場合は、前の機種のキャッシュバックが2年間あるので1年前の機種を機種変更すると2年目のキャッシュバックがなくなり負担が増えます(ただ、最近「機種変更応援プログラム」などがあり1年後に機種変更があるとキャッシュバックされます)。

さて、私の機種の機種変更に戻ります。

私の持っている機種(iPhone7 Plus)の下取り価格は33,000円になります。さらに10年以上契約している人に金券1万円、ドコモポイントが1万ポイントくらい溜まっていたので、結局のところ、定価は160,056円でしたが、月々サポートで-58,968円、下取りで-33,000、ドコモポイント等で-20,000円であり、実質48,000円(割賦で2,000円/月)となりました。
これが月々の料金に上乗せされることになります。

ところが、先月までも前の機種の割賦を払っていたので、月々の支払いはあまり変わらないことになり、まるでタダ(無料)で手に入れたかのような錯覚に陥ってしまいます(これがインセンティブの妙ですね)。

実際は旧機種を使い続けていれば支出が2,000円下がるものが下がらないということなのですが。

<ちょっと横道>

今年の発売日の9月21日(金)に手に入れるためには、予約開始日時(14日16:01)に予約する必要があります。14日は平日なので、勤務中は午後の休憩時間をそこに設定するなどしてインターネット予約に挑戦する必要があります。

例えば勤務時間終了後の18時以降に予約していては、人気の機種や人気の色の機種を初日に手に入れることはできません。また昔ほどひどくはないようですが、開始時間の16:01から予約しようとしても、アクセスが集中してなかなかつながらないという事象発生して16:30位になることもあるようです。

ちなみに私はコツを知っているので人気機種(iPhone XS MAXの新色ゴールド)を16:09に予約完了し、初日出荷の運びとなりました(ただ店舗受け取りにしたためその日は受け取りに行けず、翌日となりました)。

定価と実際のコストとの比較

デスクトップPC並みの価格のiPhone XSですが、本当のところその製造コストはどのくらいなのでしょうか。

実は、発売されたiPhoneを分解し、パーツごとに積み上げてコストを計算したサイトがあります。
http://www.techinsights.com/about-techinsights/overview/blog/apple-iphone-xs-teardown/

左側のヒストグラムの数値を例にとると、私が購入した機種(iPhone XS MAX 256GB)なので、Apple(USA)の定価は$1,249ですが、パーツのコストを積算すると、$453(定価の36%)になるようです。

これにソフトウェアのコストや広告宣伝費、利益、その他諸々のものが積み上げられて定価になっているのでしょう。これを高いとみるか、安いとみるかはあなた次第です。

使い心地は?

まだ使い始めて1カ月もたっていないので何とも言えませんが、以下の3点は、疑いなく素晴らしいものだと思います。

  • 画面の大きさ・色の美しさ
  • 文字の見易さは<老眼>の自分にとって最高。色が鮮やか。

  • カメラの性能
  • 他のスマートフォンと比べて、撮影した画像のクッキリさや夜の風景の美しさは特筆すべきものです。

  • CPU処理性能の高さ
  • 他の端末だと処理が重く、動きがぎこちなくなるたとえばゲームソフトなどがサクサク動きます。

インターネットの記事を見るとほかにもいろいろとメリットがあるようなのでぜひご覧ください。
新しいPCを買うよりずっと生活が楽しくなると思いますよ。


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