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活動報告
「外国人観光旅客利便増進措置に関する検討会」
2020に向けた公共交通機関のWi-Fi対応を決定

無線LANビジネス推進連絡会 会長 北條 博史

6月より行われた表題の検討会に、検討会委員として参加してきましたので、その内容を紹介させていただきます。なお、会合は原則非公開とされましたが、その後一部の資料を除いて資料が公開され、議論の概要も公開されています(なお、本記事も公開された内容のみを記述しています)。

検討の内容は、公共交通機関における無料公衆Wi-Fiサービスの提供だけでなく、多言語の情報提供や洋式トイレの設置など多岐にわたるため、本稿では、Wi-Fiの検討結果のみを記述いたします。議論全体を確認したい方は観光庁ホームページを直接参照ください*1。
*1 : http://www.mlit.go.jp/kankocho/riben-zoshin.html

検討会の実施経緯

急激に増加する訪日外国人旅行者に対して、単なる情報提供に留まらない多面的な受入環境整備の拡充が急務となっており、特に公共交通事業者については、世界水準の交通サービスを実現するため、更なるサービス向上の方策を速やかに実施することが求められています。

これを受け、4月に公布された改正国際観光振興法において、これまで公共交通事業者等に努力義務として課されていた多言語による情報提供促進措置を拡充し、無料Wi-Fi整備、洋式トイレ化を含めた外国人観光旅客利便増進措置を課すこととしました*2。

*2 : http://www.mlit.go.jp/kankocho/news02_000343.html

検討会の目的と委員及び審議内容

国際観光振興法の改正に伴い、観光庁では新たに検討会を設置し、外国人観光旅客利便増進措置の範囲及び具体的な内容について検討を行い、基準及びガイドラインを取りまとめることとした。

検討会の委員を図表1に、開催した検討会と内容を図表2に示す。

図表1 検討会委員のリスト

図表2 検討会の内容

無料Wi-Fiサービスに関する決定事項

まず、図表3に今回の検討のもととなった法案の内容を示します。新たな努力義務として、多言語による情報提供、Wi-Fi利用環境整備、洋式トイレ化、その他利便性を増進するために必要な措置が加わっています。

図表3 新たな努力義務を規定した法改正

 

これを受けて、今回、観光庁が詳細な項目に落としたものが図表4になります。またそれを実現するエリアを図表5に示します。

図表4 検討が加えられた詳細な項目について

 

図表5 措置講ずべきエリアについて

 

各項目について、以下の3つの整備事項をそれぞれの項目について策定しました。

① 基準 ⇒ 外国人観光旅客に対し利便増進措置を講ずる際に必要不可欠な事項
② ガイドライン(基準事項)⇒ 基準の詳細な内容を説明する事項
③ ガイドライン(推奨事項)⇒ 外国人観光旅客に対し実施することが望まれる事項(努力義務の範囲外)

「Wi-Fi利用環境の整備」という項目に対する最終的な整備案を図表6に示します。結果としてWi-Fiに対しては②のガイドライン(基準事項)は規定されず、基準及びガイドライン(推奨事項)のみとなりました。

図表6 「Wi-Fi利用環境の整備」に対する基準(案)及びガイドライン(案)

審議の結論と今後のスケジュール

公共交通事業者に対するWi-Fi利用環境の整備については、図表5に示したエリアに対して、図表6の通りの整備事項となりました(以下に図表6をまとめます)。

《基準(案)》
 旅客施設内及び車両等の内部において公衆無線LAN環境を整備する。
 初期登録や同意画面は外国語等により案内する。
 利用可能な場所をピクトグラム等の掲示により案内する。

《ガイドライン(基準事項)(案)》
なし

《ガイドライン(推奨事項)(案)》
◇ 無料かつ円滑な通信が可能となる速度を提供する。
◇ 観光庁指定のシンボルマーク(Japan.Free Wi-Fi)を掲示する。
◇ 一定程度の本人性が確認できる認証方法を提供する。
◇ 災害用の発生時に誰もが認証なしで利用可能となるような整備をしておく。
◇ SIMカードやモバイルWi-Fiルータの販売・貸出拠点を設置する。
◇ なお、光やLTEバックホールが困難な場所ではニーズを踏まえ実現時期を調整する。

今回の内容を公開し*3、パブリックコメント等を経て、改正法の施行日(平成30年10月予定)にあわせて、基準告示を施行、ガイドラインを公表する施行予定です。
*3 : http://www.mlit.go.jp/kankocho/news08_000251.html


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