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趣味と仕事
ポケモンGOは「おやじ」のコレクションゲーム?

無線LANビジネス推進連絡会会長 北條 博史

「ポケモンGO」と聞くと、「え?、まだそんなゲームやってる人がいるの?」という感じを受ける人もいると思うのですが、実は「特定」の人たちの間では未だにブームが続いています。

なぜかわからないけど、どうってことない場所に大勢の人々が集まってスマートフォンを見つめている光景を見たことがありませんか。そう、それが未だにポケモンGOをやっている人たちです。

 

そもそもポケモンゲームの起源は、1996年にゲームボーイソフトとして出された時に遡ります。当時の小学生から火が付いたそうです(現在は30歳前後の人)。1年後アニメ放送が始まり、順次ポケモンの種類も増え、映画の放映もあり、その時々の小中学生がゲームをプレイし現在に至っています。

2年前にポケモンGOが出た時には、小学生をはじめとしてかつてポケモンゲームで遊んだ人たちが、こぞって参加しましたが、実はその後、以下のようなことから、多くの子供達は遊ぶことを止めてしまいしました。

ポケモンGOの困難な条件

  • 元々はポケモンに対して「収集、育成、対戦、交換」などをベースにしたゲームであったが、ポケモンgoは結局のところ、単にポケモンを捕獲しコレクションするのがメインのゲームだった
  • 出来るだけいろいろなところに(歩行で)移動して、ポケモンを片っ端から捕獲することが基本で、車や電車で移動している間は捕獲が出来ない
  • 都会と田舎ではポケモンを捕獲できる頻度に著しい差があり、田舎の人は都会に行かないとゲームを楽しめない
  • レアなポケモンを捕獲するためには自分の街の周辺を移動するだけではだめで、例えば電車で1時間くらい移動しなくてはいけない場合もある
  • レアなポケモンを手に入れる別の方法として「卵をかえす」方法があるが、そのためには使い捨ての孵化装置を有料購入する必要がある

 

結局、ゲーム自体は無料で楽しむことも可能でしたが、移動するための交通費やその他のコストで相当なお金がかかるので、実質上、学生さんでは金銭的な面がネックとなり継続を断念したようです(最近では子供がやっているところはほとんど見ません)。

実は上記の条件にぴったりとはまるカテゴリーの人たちがいて、その人たちが、今、ポケモンGOにはまっているのです。

ポケモンGOにはまっている人の条件

  • ファミコンなどTVゲームでゲームを始めた人で、なかなかスマホゲームに踏み込めなかった人
  • このゲームを始めれば子供とのつながりが出来るかも、という淡い期待で始めた人
  • 家族との会話がなくなり、週末にすることがなく、一人でできるポケモンGOに逃げこんだ人
  • 金銭的に余裕があり、漫画の本をおとな買い(シリーズを全冊一括購入)するような世代の人
  • そろそろ健康診断で「注意」判定が出ていて、お医者さんから「運動しなさい」と言われている人

 

はい、40歳代~60歳代の中高年のサラリーマン男性がこれに該当し、今も継続的にやっているということです。ゲーム制作側も金のない学生を相手にするよりも、余剰資金のある中年の方が儲かるので、最近ではターゲットをそのへんに絞ってきているようです。

さて、該当カテゴリーの「私」も日々ポケモンGOにはまっています。都会ではモンスターが溢れかえっているので、通勤時や昼休みなど外に出るとモンスターを捕獲します。また孵化器を有料購入して卵をバンバンかえしています。また、冒頭で紹介した人が集まるイベント(「レイドバトル」)にも参加しています。

 

捕獲できるモンスターはこの2年間で第3世代まで開放され400種類近くまで捕獲可能です。そもそものポケモンゲームでは第7世代まであって計800種類以上のポケモンがあるようなので、現在はちょうど半分くらいの状態です。

さらに、2周年を迎えた今、仲間機能が追加され、新たな楽しみが増えました。冒頭で照会した複数のユーザが協力してモンスターを倒す「レイドバトル」に加えて、仲間の間でモンスターを交換する機能、さらに仲間同士でプレゼントを贈りあう機能などがスタートしました。まだまだ特定のカテゴリーの人は継続して遊べるようですね。

趣味と仕事の関係

最後に、仕事との関連を。

このゲームは通信を前提として作られているので、携帯(LTE)またはWi-Fiが繋がっていないとまったくゲームができません(そもそもはじめられません)。

実はこれまで日本では横浜と鳥取砂丘でポケモンGOのイベントがありました(他にも東北復興イベントもあり)。イベントでは海外でしか取れないモンスターや、普段めったに取れないモンスターがその時だけ大量発生するということで、鳥取では3日間で8万9000人、横浜では何と4日間で延べ200万の人が集まりました。

 

通信を前提としていることから当然、通信が輻輳することになります。特に横浜は最初の日本イベントだったのでモバイルキャリアも準備のしようがなく、モンスターはそこにいるのに取れないという全くまどろっこしい状態でした。

鳥取においても、自家用車以外の唯一のアクセス手段である鳥取砂丘までのバスが渋滞で時間通り運航できず、結局モンスターは砂丘だけでなく鳥取市内全域でも出現するように設定変更して、砂丘に行かなくても該当モンスターが獲れるようにしたと聞いています。

Wi-Fiはこういった際にはすぐに光ファイバに引き込むことができるし、臨時設置するコストも安いので最適ですが、広い範囲を面的にカバーするのは苦手なのでうまく適材適所で設置するのがいいと思われます。

なお、Wi-Fiエリアから携帯エリアに移行するとIPアドレスが変わってしまうことから、ポケモンGOでは継続して続けられない場合があるのでそのあたりは改善の余地があります。

最後に、本記事は私の独断と偏見に基づいて書いていますので、質問や反論は一切受け付けませんのであしからず(笑)。


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