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技術情報
見えない店員に監視されるAmazon GO!

技術・調査委員会 松村直哉

先月のメルマガでGUのセルフレジについてご紹介したところ、友人から「Amazon GOは知っていますか?」と聞かれ「なんですかその、ゲームみたいなもの?」と返事をしてしまいました。
「いえ、究極のセルフレジですよ」と突っ込まれ、恥ずかしながら、そこからAmazon GOについて調べてみました。

昨年からAmazon GOに関する情報は色々とネット上を賑わせていたようですが、リアルな店舗が開店したのは2018年1月22日のことでした。場所はシアトル。
先月のメルマガで紹介したGUのセルフレジはRFIDを利用して、品物をセルフレジに入れてカード決済という手順でしたが、Amazon GOはスマホに専用アプリを搭載します。

 

アプリを立ち上げると表示されるQRコードを入り口のゲートにかざして入店。その後は欲しいものを手持ちのバックに入れて、店を出るだけ、というものです。詳しくは以下のURLを参照ください。
https://orange-operation.jp/posrejihikaku/self-checkout/10331.html
https://www.businessinsider.jp/amp/post-160713

店の中には多数のカメラがあることから、ゲートを通った瞬間から見えない店員に監視されている状態となるわけです。この見えない店員がどの棚の前で悩んでいるか?そして、何を買ったか、何を手に取って買ったかを店を出るまで、後をついて回っていることになります。

このカメラによる追従は単に購入したものをカウントするだけではないと思います。

  • 棚の前で立ち止まって何やら悩んでいる
  • 手に取ったがラベルを見て、棚にもどしている
  • 欲しいものが即座に見つかったか?
  • うろうろして見つけられずに帰ったか?

といった具合にユーザ一人一人に見えない店員が後をついているので、個人個人のその時々の行動や嗜好がわかってしまうことになると思います。
これまでのPOSは何がいつどれだけ売れたか?という情報だけでしたが、見えない店員が一人一人のユーザについて回ることで(といってもカメラによる監視ですが)、これまでわからなかった隠れた需要が見えてくるわけです。

 

Amazon GOのような店舗は今後、増えてくると思います、見えない店員効果により、個々のお客の嗜好をよく理解し、より顧客志向の商品が数多く提供されてくると思います。

さらにAIが「これこれ、こんなものを作ると、誰それに売れます」とった明確な提案をしてくるようになるかも知れません。膨大な売り上げデータを分析しても、これまでは分からなかった「売れる商品」を簡単に提供することができることでしょう。
でも、お店の人との会話を楽しみながらする買い物はしばらくなくなって欲しくないものです。


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