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AT&Tが5G向け帯域を持つFiberTowerを買収
岩本賢二

5G標準規格はまだ策定中ですが、5Gの世界が実現する可能性に向けてAT&Tがオーガスタゴルフトーナメントの期間中に面白いCMを流しています(私はゴルフはしませんが、観戦することは大好きです)。

そのコマーシャルでは子供がAR(拡張現実)ゴーグルを身につけて、街に飛び出すと「ドローンが飛び回る世界」「自動運転自動車」「格好良い恐竜」を体験するというものです。

400Mbpsを出す5Gへ注力

このキッズARの広告はトーナメント期間中に流されているCMシリーズのうちの一つで、もう一つのCMは戦争で両足を失ったSual MartinezとJordan Spiethが一緒にゴルフをプレーするというものでした。このCMも感動的です。

AT&Tはマスターズの3つのグローバルスポンサーのうちの一つなのでこれらのCMを流していますが、このCM以外の広告では、AT&Tのスマートソリューションが3つの分野で俊敏性を求めている企業のニーズを満たすということに焦点が当てられています。

3つの分野とは運用効率、権限を持つワークフォース、高セキュアなネットワークです。つまり最初の2つのCMと3つの広告は異なる視点となっています。

このCMを流しているAT&Tは現在5Gのトライアルを研究所の近くといくつかの都市で行っています。今年の早い時期にオースチン、テキサス、インディアナポリスを最初の5G先進市場と定義し、理論上400Mbs以上の最大速度をたたき出すサービスを提供する予定です。

一方ライバルのベライゾンは米国で最初に5Gのサービスを提供すると約束しており、最初のユースケースは5G技術を利用した固定無線サービスとなりそうです。

FiberTowerの保有帯域の争奪戦

こんな中、今年の2月にAT&Tがハイバンドの帯域ライセンスを有するFiberTower社を「こっそり」と買収したという情報が流れました。

他のオペレータと同様にAT&Tも5Gに向けてハイバンドの帯域に投資してしますが、このFiberTower社は24 GHzと39GHzの帯域ライセンスを保有しており、そのまま帯域ライセンスが移管されると市場には大きな衝撃となります。

この買収によりAT&Tはこれらのライセンスを手に入れたに見えましたが、他の競合キャリア連合はFCCに対して、FiberTower社が所有していた帯域ライセンスは、各社平等に競売に掛けるべきだとFCCに申し出ました。

はたしてAT&Tの思惑は実現するのか、キッズARのCMの様な世界が実現される日はいつになるのか興味深いです。

参考記事:

http://www.fiercewireless.com/wireless/at-t-touts-5g-new-commercial
http://www.fiercewireless.com/wireless/at-t-quietly-acquires-fibertower-for-24-39-ghz-spectrum