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T-Mobileが選択地域でLTE-Uを開始

岩本賢二

T-Mobileが特定の地域でLTE-Uを開始することが「FierceWireless」のニュースになりました。
この記事では、ABI Research社による市場規模なども語られており大変興味深い内容になっていますので、翻訳して紹介します。

T-MobileがLTE-Uの先駆者に

 

T-MobileはLTE-Uの開始時期についてVerizonを打ち負かすようです。T-Mobileは今年の後半を目処にワシントンのベルビュー、ニューヨークのブルックリン、ミシガンのディアボーン、ネバダのラスベガス、テキサスのリチャードソン、カリフォルニアのシミバレイなどの特定の場所で開始すると言っています。

T-Mobileは商用のネットワーク上でLAAを利用して国内初のモバイルブロードバンドデータセッションを開始したと発表しました。日曜日に行ったロサンジェルスでのフィールドテストでは80MHzのアグリゲーション帯域を利用して741Mbpsのダウンロードスピードを記録しました。

もともと2014年にLTE-Uフォーラムをアルカテルルーセント(現在のノキアの一部)、クアルコム、サムソンと立ち上げたのはVerizonだったので、T-Mobileのこの主張は注目に値します。
彼らの最初の目的はWi-Fiをはじめとする他の技術との共存のためにLTE-U実装のための仕様を開発することでした。

その当時、事業者は少なくとも2016年までにLTE-Uを導入できることを期待していましたが、それは起こりませんでした。そして今、Verizonも今年LTE-UとLAAを展開する計画を発表しました。

「LAAはT-Mobileが将来に向けてどのように革新を起こしているかの最新の例です。無制限データプランによってネットワーク速度が遅くなる事に競合他社は四苦八苦していますが、我々は既に次のステップに移行しています。これはT-Mobileの最速のLTEネットワークがより高速になることを意味します。AT&TとVerizonが私たちの後に続いてくれることを望みます」とT-MobileのCTO Neville Rayは語っています。
(ニュースリリース参照:https://goo.gl/4YR7wR

T-Mobileによれば、LTE-Uはより多くの容量とスピードを提供し、何かスイッチを入れたり、ダウンロードしたりする必要はないそうです。単にLTE-Uをサポートしているスマートフォンを持ってLTE-Uのサービス範囲にT-Mobileユーザーが入るだけで使えます。
T-MobileはリリースされたLTE-Uをサポートするスマートフォンについて特に言及していませんが、サムソンのGalaxy S8がLTE-Uに対応した最初のスマートフォンでした。

LTE-Uは昨年秋にT-Mobileが始めたライセンスバンドで動作するキャリアアグリゲーション、256QAM、4×4MIMOと同様の速度と容量ならびにメリットを提供します。

市場規模と影響

Wi-Fi、ケーブルならびにLTE業界は昨年の多くを費やして、LTE-UがWi-Fiと平等に動作することを確認するためのテスト計画を策定しました。
しかしCableLabsは先週のブログにおいて、その努力がどのように進んで行くのかよく分からないと述べています。そのグループはWi-Fiと他の技術の間での共存を言及する際、警戒し続ける必要があると前々から警鐘していました。

一方、3GPPで開発されたLAAは一般的には従来のアンライセンス無線コミュニティからLTE-Uよりも温かく受け入れられています。
(LAAはLTE-Uと異なりキャリア検知機能を持ち既存のWi-Fiと共存するメカニズムがあるため)

T-Mobileによれば、LAAでは携帯事業者がさらに多くのアンライセンスバンドとライセンスバンドを組み合わせることが出来るためLTE-Uよりも大きなキャリアアグリゲーションが可能だそうです。LAAにより、T-Mobileは今後さらに多くの帯域幅と高速化を顧客に提供できます。“Un-carrier”は、今年後半に始まるLAA機能を含む小セルで、ネットワークをさらに高密度化する予定です。

一方で興味深いことに、T-Mobile以外にも今週LTE-UとLAAについて語った事業者がいました。AT&TはサンフランシスコのダウンタウンにあるライブLTE-LAAネットワークでエリクソンとテストを行い、「650Mbps以上」のスピードを記録したと発表しました。AT&Tは、LTE-LAAは、いわゆる「5G Evolution」市場で使用する予定の技術だと言っています。

T-Mobile、AT&TなどがLTEをアンライセンスバンドに展開するにあたり、どの程度の経済効果かを予測する会社が出てきました。ABI Researchによると、新しいアンライセンスバンドLTEと共有バンド技術で、今後5年間で17億ドル相当の市場がハードウェア市場に見込めるそうです。同社はこの市場のことを“LTE Unlicensed, CBRS and MulteFire市場”と名付けました。

ABI ResearchのリサーチディレクタNick Marshall氏は以下のように述べています。(https://goo.gl/dQnpTY

「LTE-UやLAAは、高密度化を計画しているMNO(携帯事業者)にはアピール出来ますが、それを行うには帯域や設備投資が不十分である一方、MulteFireとCBRS技術は安いネットワーク構築コストを約束しているので、DAS市場には混乱を与えます。
この技術は、CBRSが業界のスペクトル管理に大きな変化を先導するため、多くの通信サービスプロバイダー(CSP)にとって魅力的な事です。また、既存の帯域の再構築では5Gへの移行に伴う携帯ブロードバンドのスループットに対応できません」
*CBRS:米国で解放される3.5GHzを利用したシチズンブロードバンド無線サービスのこと
*DAS:LTEのアンテナを配置するDistributed Antenna Systemsのこと

ここまでが、記事の翻訳ですが、アンライセンスLTE、CBRS、MulteFireといった技術がハードウェア市場に大きな利益を生み出す一方、既に普及したWi-Fiへの影響やDAS市場への混乱が予測されるなど、今後の動きに目が離せません。

*参照:FierceWireless(https://goo.gl/oZsBUj


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