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アンテナ技術で無線通信の発展に貢献 長距離無線LANシステムで事業拡大
日本電業工作株式会社 ワイヤレスソリューション事業部 担当部長 白土 正

日本電業工作株式会社は1947年に創立しました。以来、各種無線通信方式に対応したアンテナ、フィルタなどHF、VHF及びUHF帯無線機器の研究開発および製品を製造・供給し、無線通信分野の発展に貢献しています。
特に、アンテナ事業では1952年から150MHz船舶電話基地局用各種アンテナ、マイクロ波無線中継回線パラボラアンテナ、150MHzポケットベル基地局アンテナ、800MHz自動車電話基地局用アンテナおよび共用器などを電電公社に納入し、1983年には電電公社の800MHz大容量移動通信方式基地局アンテナの共同開発メーカに採用されました。

多くの携帯電話システムのサービスエリアの調整は、基地局アンテナの垂直面内指向性にチルトをかけることにより実現しています。このチルト角をトラヒックの変動に対応して遠隔または現場で制御できることが要求されます。基地局アンテナのチルト角制御を行うためには高周波信号の位相を可変する移相器が必要で、キーデバイスのひとつとなります。移相器は100W~500Wの高電力で安定に動作することが必要で、しかも低IM(Inter Modulation)特性、低損失であること、など厳しい特性が要求されています。
これらの厳しい要求特性を満足するための設計・製造技術は当社の重要なノウハウです。移相器は同軸管タイプ、誘電体装荷タイプ、回転タイプなど各種ありますが、当社は上記の厳しい条件において安定に動作する移相器を開発し、1995年に基地局用チルト制御方式アンテナの納入を開始しました。

また携帯電話システムのトラヒック増に伴う使用周波数配置の追加に対応するため、複数周波数が共用可能な基地局アンテナが必要となります。【写真1参照】
周波数共用アンテナは1990年から800MHz/1.5GHz周波共用アンテナの納入を開始し、2000年にIMT2000方式用基地局3波共用アンテナの納入を開始しました。このアンテナは従来の800MHz/1.5GHz帯の性能を維持し、外観も変えずにPDC方式用アンテナとして使用でき、2GHz帯ではIMT2000方式で使用することを可能にした3波共用アンテナです。現在も顧客仕様に対応した周波数共用基地局アンテナおよび各種アンテナを製造し提供しています。

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【写真1】 多周波共用アンテナ

基地局アンテナの利得、指向性などの電気的特性は重要ですが、基地局アンテナは主に鉄塔やビルなどの高所に設置されますので強風、雨、雪などに対する耐候性も重要です。一般に耐候性を高めるために基地局アンテナを丈夫なカバーで覆いますが、カバーによる指向性の崩れなどアンテナ特性への影響を無視することはできません。
当社では各担当が連携して顧客仕様を満足する製品を提供しています。最近では、景観を配慮し、自然環境に優しい製品が強く要請されているため、顧客の要求に加えて社会的な要求や当社の蓄積したノウハウを顧客仕様に可能な限り反映しています。

以上のように当社の提供する基地局アンテナは長年蓄積した公開することのできないノウハウが生かされており、顧客から高い評価を得ています。
当社はアンテナだけではなく通信用フィルタも得意な分野です。通過帯域内は低損失、帯域外は高減衰特性を必要とするTV・ラジオ放送用フィルタ、さらにLTE用共用器などの厳しい特性を要求される無線通信への提供を行っています。

新しい事業分野では、当社独自技術の小型平面アンテナ、高利得平面アンテナを用いた長距離無線LANシステム、無線LANとマルチカメラを組み合わせた監視システム、センサネットワークなどの分野に事業を拡大しています。【写真2参照】

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【写真2】おくだけWi-Fi


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