技術情報
ドローンレースってご存知ですか?
新技術導入促進委員会 松村副委員長

先月、ドローンで利用できる無線帯域についてご紹介しましたが、いろいろとドローンについて調べていく中でエンジニア魂(元ですが)に火を付けそうなものを見つけました。
それは、「ドローンレース」です。

一番のニュースとなっているドローンレースは今年3月にドバイで開催された「World Drone Prix 2016」です。優勝賞金総額が100万ドル、15歳の少年が優勝しました。
http://www.drone.jp/special/20160314092636.html

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決勝戦のコース

LED照明で飾られたコースを時速100km以上で飛行するドローンを操縦し、勝者を競うというものです。YouTubeの動画を見ていただけるとその臨場感が伝わると思います。

まさにスターウォーズの世界で、レーサー、操縦者はHMD (Head Mount Display)を装着し、飛行しているドローンから送られるリアルタムな画像を見ながら操縦をするとうもので、HMD(没入型)のため自分がドローンに乗って操縦している感覚になるというわけです。

そこで、レースで使われるドローンはどうなっている?という疑問が沸き始めたので少し調査してみました。
ドローンは大まかに以下の部品から構成されています。
・フレーム
・モーターとESC(Electric Speed Controller)
・バッテリー
・レシーバー
・フライトコントローラー
・FPV(First Person View)カメラ、トランスミッター

※詳しくはこちらを参照ください。
https://drone.beinto.xyz/diydrone/drone-parts-matome/

この中の主要構成品について2つ紹介します。
一つはESC(Electronic Speed Controller) 、これはモーターを制御するものでフライトコントローラから出力される矩形波の積分値(電力)によって回転数を制御するFETにて構成されています。矩形波の周期やタイミングによってモータの回転数を微妙にコントロールしています。後述のフライトコントローラ同様、ESCもCPUにて制御されています。このESCがモーター回転を微妙に制御することで俊敏な飛行性能を実現しているものと思います。
もう一つは心臓部となるフライトコントローラです。コントローラには6軸センサーチップとCPUで構成されています。6軸センサーはxyzの3軸方向に向かった移動と3軸のそれぞれを軸として回転する方向の加速度を検出するセンサーです。これによってドローンが現状どのような姿勢で飛行しているかを正確に検出しています。
驚いたのはフライトコントローラに搭載するソフトもOSS(オープンソース)化されており、日々、進化しているということです。一般に販売されているドローンのフライトコントローラはベンダー独自開発が主流かと思いますが、レース用のドローンなどは操縦性能を向上またはカスタマイズするためにOSSを活用しています。
以下のページにOSSのDronecodeとベンダーが提供する垂直統合について解説しているので参考としてください。

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参考 http://dronemedia.jp/open-source-drone-code/

2回連続でドローンについて紹介しました。
5.7GHzがドローン用に利用できることになりますが、この帯域は主にリアルタイムに画像を転送する目的で利用され、低遅延のアナログ無線技術を採用しているということです。近い将来、HMDを被ったドローン操縦士が街のいたるところで見かけられるようになるかもしれません。


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