技術情報
消費者の不安な気持ちを取り除くIoTスーツ

技術・調査委員会 松村直哉

通販のTVを見ながらスマートフォンを片手にアプリで洋服をオーダー、我が家ではよく見かける光景です。
これまでは届いた服のサイズが合わなかったり、色が気に入らなかった場合は送り返してサイズを変えたり色を変えたりと手間がかかっていました。

また、洋服は実際に試着しないと決められない、ということでネットでの衣類の購入は控えていた方も多いかと思います。

そんな消費者の不安を払拭するサービスが12月8日の日経新聞の朝刊に紹介されていました。

配送先として最寄りの駅ビルを指定します。駅ビルでは試着室が用意されていて、配送された衣類のサイズがあったもののみを購入するという仕組みです。
衣料系通販の不安要素を払拭した新しいサービスと言えます。

と、ここまでは既存の仕組みを使った不安要素改善サービスですが、さらに進化したものがZOZOSUITです。

http://zozo.jp/zozosuit/
伸縮性のあるZOZOSUITを着用し、スマートフォンを操作すると全身のサイズが計測できるすぐれものです。これまでは人に服のサイズを合わせていましたが、このスーツから得た情報をもとに服を選ぶため、サイズが合わないという心配がまったくなくなるというものです。

このスーツには伸縮をセンシングするデバイスが搭載され、スーツの部分的な伸び具合を測定することが可能となっています。
https://www.businessinsider.jp/post-107555

このスーツに装着されているのがニュージーランドのStretchSense社のセンサーです。
伸縮するベルト状のセンサーが伸び縮みすることでコンデンサの容量が変わり、この値をセンシングすることで伸縮した長さを計測するというもののようです。
このデータをBluetooth経由でスマホに集約し、服のオーダに利用するというものです。
原理はいたってシンプルですが、これまで商品としては存在していなかったものと思います。
https://www.stretchsense.com/

 

今回のZOZOSUITは全世界を対象とした無料配布です。
服を選ぶ時代から体系にあった服をオーダーメイドするという時代になるということです。
これまでの通販のネガティブなニーズを的確にとらえた新しい形の拡販ツールと言えます。

背広のズボンがきつくなるシグナルを感じると、休日の歩く距離を長くする身としては服が勝手に体系にあってしまうのも、大きなお世話と思ってしまうのは私だけでしょうか。


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