ビジネス情報
フリーWi-Fiの仕組みとWi-Fiルーターの課金の誤解

無線LANビジネス推進連絡会 会長 小林忠男

毎日、多くの人がWi-Fiを使ってインターネット接続し、メディアやSNSで情報のやり取りをしています。Wi-Fiは毎日の生活に欠かせない通信手段になっています。
これは、スマートフォンやタブレットやパソコン、デジカメにWi-Fi機能が搭載され、近くのWi-Fiアクセスポイントとつながっているからです。
このWi-Fiアクセスポイントにはいろいろな形態があり、それによって料金も異なります。
今回は、端末がどのようにWi-Fiアクセスポイントにつながっていくのか、その設置形態と料金の関係について解説します。

Wi-Fiアクセスポイントの接続形態

Wi-Fiアクセスポイントは様々なところに設置されていますが、それが広域系のネットワーク(WAN)にどのようにつながっているのか、その接続形態は、図1に示すように有線の場合とワイヤレスの場合があります。

 

一番多いケースと思われるのが、Wi-Fiアクセスポイントが光ファイバーにつながっているタイプです(図1の①)。
山間部や離島等で光回線設備がない場合は、固定ワイヤレス回線(図-1の②)が使われます。飛行機や船舶では衛星回線が使われる場合もあります。

次に、端末がWi-Fiでつながるのが多いタイプが、Wi-Fiルーターでの接続だと思われます。Wi-Fiルーターの場合は、図1の③に示すようにネットワークとの接続にはLTEやWiMAX等のモバイルのワイヤレス回線が使われています。Wi-FiルーターはWi-Fiアクセスポイントの役割をしているわけです。

また、最近のスマートフォンの機能の一つであるテザリングも、端末とスマートフォンはWi-Fiでつながっていて、そのスマートフォンとネットワークはLTEやWiMAXでつながっています。この場合、スマートフォンはWi-Fiルーターの役割を果たしています。

最近は、新幹線等の列車、バス、船舶、飛行機の移動する乗り物の中でもWi-Fiが使えるようになりましたが、船舶に光ケーブルを引くことは出来ませんので図1の③の仕掛けを使ってWi-Fiアクセスポイントを置き、船内をWi-Fi化しています。

フリーWi-Fiとそのコスト負担の狙い

キャリア、スポットオーナー、自治体が提供しているWi-Fiサービスは、①と③の両方が多く使われています。この場合の料金は、モバイルキャリアのLTEサービスとセットで実質無料か、スポットオーナーや自治体がお客様や訪問客へのサービスとして無料提供の場合が多く、ユーザーのコスト負担にはならない無料の場合がほとんどです。

しかし、個人がWi-Fiルーターを契約して使う場合は、ネットワークとの接続に契約したキャリアのLTE回線等を使うため有料になります。容量制限のある契約の場合は、制限を超えると速度が低下する場合もあります。
当たり前と言えば当たり前の話ですが、フリーWi-Fiという言葉に表されるように、「Wi-Fiは無料」だという先入観があるため、Wi-Fiルーターはなぜ無料ではないのか、無料にならないのかと疑問に思っている方もいるでしょうが、モバイルキャリアが提供するWiMAXなどのワイヤレス回線を使用する場合には必ずコスト負担が生じます。

車内やコンビニ等で図1の③の接続形態でフリーWi-Fiを提供する場合、スポットオーナーは自分で然るべきコスト負担を行い、お客様にフリーWi-Fiを提供しています。それによるお客様へのサービス向上、来店者増を目的としています。

Wi-Fiルーターの中には、ネットワークへの接続回線として、図2、図3に示すようにLTEに加えてWi-Fi接続が可能なWi-Fiルーターもあります。

 

自宅や会社で、公衆無線LANの接続設定をしておけば、Wi-Fiを使えるスポットではLTEにつながらずに自動的に無料のWi-Fiアクセスポイントにつながりますので大幅なパケットの節約になると思います。

アンライセンスと端末扱いのメリット

Wi-Fiルーターについて述べましたが、LTEルーターとかWiMAXルーターということばは聞いたことがありません。
技術的には、図4に示すように、LTEやWiMAXのチップを搭載した端末をLTE回線につながったルーターを介してインターネットに接続することは可能です。
しかしながら、ライセンスの電波を使ったLTEやWiMAXは、干渉を避けるために厳密にアクセスポイントの位置と使用周波数を管理しなければなりません。

 

屋内に設置するモバイルの周波数を使ったフェムトセルは、ユーザーが自宅においてあるアクセスポイントの場所を勝手に変えたり電源を抜いたりすることは出来ません。

また、Wi-Fiルーターは、LTE回線やWiMAX回線の端末の位置付けになっていて、端末との電波はアンライセンスのWi-Fiを使っているので自由にどこに持ち運ぶことも制度的に許されています。だから、このような使い方が可能なのです。Wi-Fiはアンライセンスで誰でも自由にどこでも使えるから、このような便利な使い方が出来るのです。

以前、WiMAXが本格的に導入されればWi-Fiは不要になるとさんざん言われましたがそんなことは起こりませんでした。
第5世代の時代になればWi-Fiはどうなるかという議論もありますが、それぞれに補完的な役割があり、それらが結合して色々なことが可能になっています。
ワイヤレスにおいては、これがあれば他は要らないということはなく、それぞれのメリットを結合してより良いサービス、商品を作ることが可能であり、またそれがユーザーメリットのために大切な時代だと思います。


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